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年間500本を越える映画を見る映画狂・恵介。TVやDVDで見る映画は映画ではない。映画はアメリカや東南アジアや日本でも劇場で試写室で見る映画のみに限られ、その感想やコメントを毎日書き込みます。今まで休んだのは上海に滞在した2012年の4日間だけ。サイバーコップが日本中国間のブログ・アクセスを切断したからです。それ以外は皆勤、アクセスは52万回を数える。
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    凄く面白い映画だった。
    前提に二つのことを考えた。

    一つは「アバウトシュミット」(02)。ニック・ニコルソンがゴールデングローブ主演賞の好演で、定年退職した男を描いている。ネブラスカ州オマハの保険会社でアクチュアリーとして働いていた平凡な66歳男性のウォーレン・シュミットは退職した。皆華やかに送ってくれていつでもオフィスに顔を出してくれと言われて出すと迷惑がられる。退職後の新しい生活に馴染めず、自分には価値がなくなったように感じていたウォーレンは、TVCMでアフリカの子供たちを援助するプログラムを知り、6歳の少年ンドゥグの養父になって彼に手紙を書くようになる。しかし、家族のことなどを書いてゆくうちに世の中や自分の境遇に関する怒りがこみ上げてくる。

    小説「終わった人」の原作者、内館牧子はこの映画から着想を得たのは間違いない。
    因みに僕は年間200冊以上の本を乱読するが、この小説は面白さの最高級の点数がつけてある。
    実は読んだことを忘れていたが、どうもストーリーは知っているぞとおもうところに「散る桜、残る桜も散る桜」の良寛の辞世の句で内館の小説を思い出した。

    もう一つは監督、中田秀夫のことだ。
    日活ロマンポルノ誕生45周年となる2016年、新企画に「ロマンポルノリブートプロジェクト」。 ロマンポルノを1988年から28年ぶりに新作を制作、しかも監督は、現代日本映画界を代表する気鋭監督5人。脚本を書き演出をする。
    10分に1度の濡れ場、製作費約1000万円、上映時間約80分、撮影期間約1週間という条件で依頼され、行定勲監督は「ジムノペディに乱れる」、塩田明彦監督「風に濡れた女」、白石和彌監督「牝猫たち」、園子温監「ANTIPORNO」、中田秀夫監督は「ホワイトリリー」で女性の花弁をイメージする一番ポルノっぽい。

    蓋をあけて劇場公開した結果、一番ヒットしたのは白石和彌監督作品「牝猫たちで」で一番ダメだったのは中田秀夫の「ホワイトリリー」だった。
    中田と言えばJ-ホラーの旗手としてハリウッドに進出し成功した日本を代表する映画作家だ。
    しかし中田のヒット作「リング」シリーズや「仄暗い水の底から」などは何れも鈴木光司と言うホラー作家の原作があるからで、リブート企画でオリジナル脚本勝負では白石に負けるのも頷ける。

    この映画の場合内舘のベストセラー小説があり脚色をベテラン根本のんじが書いてくれるから中田としては条件は揃い得意の演出に全能力を集中することができる。

    「アバウトシュミット」でのジャック・ニコルソンの演技力に敵うべくもないが、主人公の田代壮介に扮する舘ひろしも頑張る。

    東大法学部から大手銀行に入りエリートコースを突っ走ていたと思ったら外され、子会社へ出向となりそのまま為すことなく定年を迎える。
    どう足掻いても世間から「終わった人」と思われるようになってしまう。

    相手妻千草役は黒木瞳。かつての輝きを失ったばかりかイジイジしている夫に我慢出来ない。離婚(「卒婚」と呼ぶが)して美容師で自分の店を持ち一本立ちをしたい野心満々。

    「落わった人」とこれから「始まる人」とのコントラストと確執が軸となって物語は思わぬ展開をする。

    トーンはコメディタッチだが登場人物が優しく愛情に溢れているが取引先の倒産、負債が主人公の個人借金となるなど金に纏わるダークな話が中盤を占める。

    主人公の鬱々とした心を救うのは被災にあった東北の故郷の旧友たち。NPO法人のチャリティを通して将来を活路を見出だすエンディングなどは悪くない。(僕自身が慈善事業のNPO法人を主宰しているからそう思うのだが)
    この道は決して「終わりがない」のだから。

    大河ドラマ「毛利元就」や、NHK連続テレビ小説「ひらり」など、数々の脚本を手がけ、ヒット作を世に送り出してきた内館牧子が、久しぶりの小説「終わった人」。
    内容が充実した原石だけに磨けば光る。

    すっかり堪能した映画だ。

    6月9日より丸の内TOEI他全国で公開される

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     素っ頓狂なストーリーを考えるものだと感心する。
    主人公の12歳の少年ベンの視点で物語は展開する。
    余りに奇想天外なので粗筋を紹介しなければ狐に摘ままれたような????一杯になる。

    1977年ミネソタ州ガンフリント。12歳のベン(オークス・フェグリー)は、母エレイン(ミシェル・ウィリアムズ)を交通事故で亡くし、伯母の家で暮らしている。生前の母は「いつか話すから」と言いながら、父の名前すら教えてくれなかった。

    ある嵐の夜、母の家に秘かに戻ったベンは、「ワンダーストラック」というニューヨークの自然史博物館の本を見つける。
    「愛を込めて、ダニー」のキンケイド書店の栞を見付ける。ダニーこそ父親に違いないと書店へ電話をかけようとうとした途端に雷が落ちて、病院で意識を取り戻したベンは耳が聞こえなくなり、唖になってしまう。。
    それでも父親を探すために病院を抜け出し、ミシガンからバスに乗りニューヨークへ行きキンケイド書店を見つけるが、店は閉店していた。途方に暮れたベンは、声をかけてきた少年ジェイミー(ジェイデン・マイケル)のあとをついて行き、自然史博物館に辿り着く。
    少年の耳が聞こえなくなった瞬間に映画はサイレントになる。

    ここまでは付いて行けるが不思議なのは自然史博物館で50年前の少女と知り合うことだ。

    1927年、ニュージャージー州ホーボーケン。
    生まれつき聾唖のローズ(ミリセント・シモンズ)は、大きな屋敷に父と使用人たちと暮らしていた。支配的な父とは心が通わないローズにとって、大好きな女優のリリアン・メイヒュー(ジュリアン・ムーア)の映画を観て彼女の記事を集めることだけが心の支えだった。

    ある日、リリアンがニューヨークの舞台に出演すると知ったローズは、彼女に会いに行こうと決意し、ひとりで船に乗る。
    心が弾んでいるから他のいい旅が白黒画面で映し出され音楽も20年代ものだ。
    兄のウォルター(コーリー・マイケル・スミス)が働く自然史博物館にも行ってみたかった。ローズはリリアンが稽古中のプロムナード劇場を探しあてる。

    いつも疑問に思うのだが少年少女は両方とも唖だが、英語の台詞で
    「deaf」が頻繁に出て来るのに耳が不自由とか曖昧な表現にする。名作「ノートルダムの」背むし男」を「ノートルダムの鐘」と訳しているのは日本だけだ。
    もう一つ気になるのは憧れの美人女優に扮するジュリアン・ムーアだ。目の整形は歴然としておりくっきりとするがキツイ感じになっている。

    2人の出会う「NY自然史博物館」(NY Natural History Museum)はMETと公園を挟んだセントラルパーク・ウェストにあり大人も子供も一緒に楽しめる名所だ。ベンスティラーノ「ナイトミュージアム:」シリーズが3本ともヒットして知らない人はいない。

    2人は会う前から互いの名を知っており、50年の時空を超えて博物館内を追いかけっこをし喋りまくる(おっと、唖だからカードに絵と文字を書きまくる)至福の時間を過ごす。

    中年女性同士の激しいロマンスを描いた「キャロル」のトッド・ヘインズ監督だけに期待したがどうもいけない。少年少女とはいえSF的なロマンスはヘインズ監督の任ではない。

    閉塞感を打ち破り自分の居場所を見つける少年少女の天国は「驚きと幸せの一撃=ワンダーストラック」に満ち満ちた「NY自然史博物館」と言うのは良いのだがそれまでのプロセスがしっくりこない。ローズのパートを白黒サイレント、ベンのパートを音声つきカラーで描くのも分かるが押しつけがましい。

    主人公のベン役を「ピートと秘密の友達」のわんぱく坊主顔のオークス・フェグリーが、
    ローズ役には自身も聾唖者の新人ミリセント・シモンズがオーディションで抜擢された。
    2人をつなぐ人物を「エデンより彼方に」の(整形失敗の)ジュリアン・ムーア、ベンの母親を「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のミシェル・ウィリアムズが脇を固める。

    ファミリードラマと見ればリラックスして楽しめる。

    4月6日より新宿ピカデリー他で公開される。

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    クリント・イーストウッド監督作品なら傑作だと信じている人に冷水を浴びせる映画だ。
    現代世間から絶賛された実際のヒーローを取り上げた「アメリカン・スナイパー」のイラク戦争で160人を射殺した狙撃兵や「ハドソン川の奇跡」のエンジン不調の旅客機を川に不時着させた機長などは深い感動を齎したヘビーウェイト級の作品だった。

    しかしこ「のテロリストと戦った3人の若者たちの「再現ドラマ」の軽さはフライ級に届かない。
    しかも俳優は使わず列車で戦った本人たち、スペンサー、アレクそしてアンソニーの3人を主演させるユニークさと言うかお手軽さ。

    事件後フランソワ・ホーランド前仏大統領から顕彰されレジオン・ドヌール勲章を授与されるシーンは長々と続くが、そっくりさん大統領かと思ったらニュースリールだった。故郷カリフォルニア州サクラメント市の英雄凱旋パレードもTV報道のクリッピングだ。
    イーストウッドのネオリアリズムやミニマリズムは存分に発揮されているが観る方は面白くないし、興奮しない。

    アメリカでは先週2月9日よりWB配給を通し3042館で上映され12.6M(13.5億円)を挙げて3位に食い込んだ。

    1位はエロチックな三部作最終弾「フィフティ・シェイズ;フリード」3768館で公開され$38.8M(42億円)だった。

    3位に入ったものも、出来過ぎでプロ評論家たちから酷評の洗礼を受け、Rotten Tomatoで20%, 出口調査(CS)はB-評価と観客からも好まれていない。
    観客層は年寄をターゲットにしており、50歳以上が57%、25歳以下は僅か14%に過ぎない。

    事件は2年半前の2015年8月21日に起こった。、
    554人の客が乗るアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリスに、ISISの感化をうけた武装したイスラム過激派の男、アイジーブ・エル・コサニがナイフ、拳銃、アソートライフルと弾丸300発を身につけて乗り込んで来る。

    隣の車両で発砲し、マークと言う乗客が胸を撃たれ倒れる。
    追いかけて来たテロリストにスペンサーが獲物を何も持たずに立ち向かう。自動小銃で狙うが不発、アレックスもアンソニーも協力するが(余り役に立たない)、スペンサーが大活躍、柔道の締め技で「落とす」。

    他の乗客たちが恐怖で騒ぎ立てる中、3人は落ち着いてテロリストを拘束する。
    仲間も居らず孤軍奮闘のテロリストは少しも怖そうではないし、自動小銃も不発でスリルもサスペンスも無い。

    一瞬の出会い頭をスキンヘッドのスペンサーが制してしまう。
    真のヒーローはスペンサーだけだろう。

    若者3人はカリフォルニア州サクラメントで子供時代を過ごした仲良しだった親友同士。アンソニーは大学へ進学するが他の2人は軍人になる。

    若者たちの生い立ちが収められているが後付けの蛇足の感がある。
    「自分の過去を振り返ると、何を優先して生きてきたかがわかる」という声に重なり、軍隊に入隊し厳しい訓練に励む青年、幼き日にベッドに身を託して祈りをささげる少年、学校でイジメにあい、ふて腐れながらロッカーに八つ当たりする姿などが映し出される。若者たちの傍にはいつも温かく見守ってくれた母がいたなど成長の過程が紹介される。

    そして成長した3人。アメリカ空軍兵スペンサー・ストーンはポルトガルに駐在し、オレゴン州兵アレク・スカラトスはアフガンで戦っていたが休暇でドイツにいるガールフレンドに会いに来ていた。二人は合流してローマにいる大学生アンソニー・サドラーと落合いパリ旅行となったのだ。

    犯人に出会うまではドラマは無いし旅の飲み食いと出会う女性たちとの交流だけ。死闘も一瞬で長いのはホランド元大統領の演説だけ。

    しかし勲章を貰う3人の横にトレンチコートを着たクリスと言うロンドンに住んで居る中年の男性がいる。誰だい?車中で重傷のマークを止血したのはアレックスや救急車のパラメディカルの若者たちだ。
    何かトッ散らかっている間に1時間半の短い映画は終わる。

    エンドクレジットで軍人のスペンサーとアレックスは昇格したことを告げているがそれがカタルシスとして残存する。

    公開されれば必ずヒットするクリント・イーストウッド作品でも、こんな再録ドラマのB級作品もあるんだと認識する。

    原作はジェフリー・E・スターンの「The 15:17 to Paris: The True Story of a Terrorist, a Train, and Three American Heroes」。

    3月1日より新宿ピカデリー他全国公開

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    2月15日(木)の夜、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた日本お披露目試写会は評判を聞いてか満員の大盛況。
    原作は1981年に発刊されたクリス・ヴァン・アルスバーグの絵本で19世紀の怪奇ものだ。
    映画化は14年後の1995年。

    僕は父親役のロビン・ウィリアムが好きだったから22年前のオリジナル版を良く覚えている。
    1869年、深夜の森を馬車の2人の少年たち。なぜか怯えた様子の彼らは、持っていた木箱を掘った穴に埋めて足早に立ち去る

    それから100年後の1969年、大規模な製靴工場を経営し、町の名士でもあるサミュエル・アラン・パリッシュの息子アラン・パリッシュは、厳格な父親に反感を抱いていた。
    パリッシュ家の12歳になる一人息子アランは気の弱い少年で、いつも厳格な父(R・ウィリアムス)に叱られていた。
    ある日、いじめっ子にいじめられたアランは帰り道、工場の近くにある工事現場で太鼓のような音を聞き、土の中から古い木箱を掘り出した。

    その木箱は「ジュマンジ」と書かれたゲーム盤で、アランはガールフレンドのサラを呼んで一緒にボードゲーム「ジュマンジ」をプレイする。
    サイコロを振ってゲームを始ると、次々と不思議なことが起きる。ところが、このゲームはプレイするごとにキャラが現実に起きてしまう不思議なボードゲームだった

    巨大な蚊、オマキザル、ライオン、巨大な植物、シロサイ、アフリカ象、シマウマ、ペリカン、次から次へと現れ居間を飛び出し、街の通りを駆け巡る。

    少年のアランも少女サラも名前も知らない子役だったが今や30代後半の中年の男女だ。

    1951年生まれのロビン・ウィリアムは生きていれば67歳だが、2014年5月に急死する、享年63歳、
    油の乗り切った男盛りの年齢だ。

    今日紹介するのは1995年製作の大ヒット作「ジュマンジ」の22年振りの続編で、ドウェイン・ジョンソンが主演を務めたアドベンチャーアクション。

    元プロレスラー世界チャンピオン「ロック」ことドウェイン・ジョンソンは今や飛ぶ鳥を落とす勢いの大スター。
    相棒のポール・ウォーカーの事故死で危うくなった「ワイルド・スピード」シリーズをジョンソン一人で乗り切った。

    高校の地下室で居残りをさせられていた4人の生徒たちは、「ジュマンジ」というソフトが入った古いテレビゲーム機を発見する。

    生徒たちは、「ジュマンジ」というソフトが入った埃まみれの古いテレビゲーム機を発見する。
    スペンサー(アレックス・ウルフ)、ベサニー(マディソン・アイスマン)、フリッジ(サーダリウス・ブレイン)、マーサ(モーガン・ターナー)の4人は、

    こんなレトロのボードゲームは今頃珍しいと、掃除をサボって「ジュマンジ」をプレイしようと
    早速そのゲームで遊ぼうとするが、キャラクターを選択した途端にゲームの中に吸い込まれ、
    各キャラクターのアバターとなって危険なジャングルの中に放り込まれてしまう。

    マッチョな冒険家やぽっちゃりオヤジなど本来の姿とかけ離れた姿に変身した彼らは、ゲームをクリアして現実世界に戻るため、
    それぞれ与えられたスキルを使って難攻不落のステージに挑む。
    4人は元の現実の世界に戻るためにゲームをクリアしなければならない。
    ヘマをして「ゲ-ムオーバー」になれば永遠にジャングルに閉じ込められるのだ。

    ストーリーの先は読めるしアドベンチャーを楽しめば良いだけ。
    この手のヴィジュアルで脅かす作品はIMAXか3Dで見なければならない。

    全国の劇場をほぼ握るTOHOシネマズがIMAXに積極的でないので披露試写会と言えどエキストラワイドスクリーンだけど悲しい哉、2D版だ。

    アメリカや中国ではIMAXは急激に劇場数が増えている。日本人はモデストなんでしょうか、3D立体とかIMAXだからと言って飛びつかない。

    主人公のスペンサーは冒険家のブレイブストーン博士(ドウェイン・ジョンソン)になり大活躍だが
    黒人の女子高生ペサニーは何と小太りの男性、オベロン教授(ジャック・ブラック)に、このブラックは余り面白く無い。

    フリッジムーはムース・フィンバー(ケヴィンん・ハート)に
    マーサのアバターはセクシ―な女性ファイター、ルビー・ラウンドハウス(カレン・ギラン)に。短い短パンに黒いブラ姿で華麗なマーシャルアートはジョンソン以上に観客の目を惹き付ける。
    演じるカレン・ギランは30歳、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」シリーズで注目された。

    監督は「バッド・ティーチャー」のジェイク・カスダン。あの名匠ローレンス・カスダンの息子で脚本家として修業を積んだ。

    配給会社ソニー映画でもこんなにヒットするとは思ってもいなかった。
    出だしは「スター・ウォーズ:最後のジェダイ」に抑えられていたが今年の正月に興行成績(BO)首位の座につくと上位を維持、公開7週目にして全米No.1に返り咲いた。
    12月全米公開作品で2月にNo.1になるのはあの「タイタニック「」以来だと言う

    今週末は「プレジデントデイ」の祝日。映画の書入れ時だ。
    マーベルのスピンオフヒーローで超弩級「Black Panther」(邦題「ブラックパンサー」)が200Mを超す成績を挙げる中、
    9週目を迎えても堂々と4位の座を占め、これでアメリカでの累積は380M(410億円)ワールドワイド総計は1000億円を指呼の間に臨む。

    親会社ソニーも新社長になった。大ご祝儀だ。

    4月6日よりTOHOシネマズ日比谷他d全国公開される

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    拉致・監禁、そして区何度も逃亡して失敗の繰り返しだけの単調なサスペンスだが
    人物像は良く描かれている。
    僕も若い頃1か月もヨーロッパを1人旅をしたが淋しさを紛らわすため、レストランやホテル、飛行場や鉄道の駅などで、やたらと人に話しかけた。
    皆親切で宿が見つからなかった時には自宅に泊めてくれた人もいた。

    しかし女性の場合はセックスが絡んで来るから淋しさを紛らわすと飛んでもないことが起こるとこの映画は警鐘を鳴らす。

    日本、そして世界中で多発している女性監禁虐殺事件。
    普段は優しい温和な男だが一皮剥くと異常性格者、サイコパスの凶悪殺人犯に理不尽に襲われた被害者の恐怖と戦慄をスリリングに描いたメラニー・ジョーステンのベストセラー小説をオーストラリアの女性監督、ケイト・ショートランドが映画化。

    建築物に興味を持つ女性カメラマンのクレア(テリーサ・パーマー)は仕事を暫く休み、ベルリンに旅行に来た。東ベルリン時代の建造物を撮りまくっていた。
    雑踏の交差点でアンディ(マックス・リーメルト)と名乗る若い男と出会い、英語教師をしているアンディは流石に英語は堪能でベルリンで英語が通じない鬱憤をチャットで楽しむ。

    翌日もYMCAの安宿で一緒の仲間と飲食をしているとアンディに再び出会い、意気投合した2人はそのままアンディのアパートに直行,ホットでジューシーなセックスに耽る。アンディの父親の栽培するイチゴ園を抜けてアパートは裏ぶれており他の住人も居ないようだ。

    アンディとお泊まりして充実した夜を堪能し、朝を迎えたクレア。
    陽も高くなっておりアンディはすでに外出している。

    今日はデュッセルドルフへ行く予定で外に出ようとするが、部屋のドアが開かない。
    外から鍵がかけられ一歩も外へ出られない。

    帰宅したアンディは鍵を渡すのを忘れたと言い訳をすづがクレアは嘘だと知る。
    そして。クレアはアンディによって監禁されたことがわかる。
    アンディは花やお土産を買って来て機嫌を取ろうとするがその手に乘らない。

    何度も部屋からの脱出を試みるのだが窓は二重ガラスで重い物をぶつけてもビクともしないし、家の外は車も通っていない。

    アンディは年を取った父親を捨てた母が許せなくてそれがトラウマになりっ女性監禁のハラスメントになっているようだ。

    半年以上も監禁されていると加害者との間にストックホルム症候群がおきるのだがクレアはアンディを許さなく,更に隠しておいたアンディのアルバムを見ると
    自分と同じ被害者もおり殺されていることが分かる・

    さあここからクレアのリベンジがはじまる。偶然性も手伝い上手く行ったように思えるエンディング。

    ようやく終盤で盛り上がるが2時間もかけて退屈なキャット&マウスの繰り返しは退屈だ。

    昨年のサンダンス映画祭に出品をはじめ世界各国のフェスティバルに臨むが授賞はない。

    大胆なセックスシーン、全裸の絡みなど体当たりの熱演は2011年の大作映画「アイ・アム・ナンバー4」でブレイクし「ライト/オフ」「ハクソー・リッジ」などハリウッド映画の出演が続くオーストラリの女優テリーサ・パーマー。
    クレアを監禁するサイコのアンディには「THE WAVE ウェイヴ」などのドイツ人俳優マックス・リーメルト。

    4月7日より新宿武蔵野館他で公開される

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    僕の一家は子どもの頃から「小倉百人一首」のかるたに夢中になり、意味は分らないままに上の句に続く下の句を全部暗記した。

    小学生2年の時、絶好調だったのは「狸山」だ。
    このたびは 幣も取りあへず 手向(たむけ)山
       紅葉(もみぢ)の錦 神のまにまに
    「手向け山」を狸山と思っていたのだ。

    幼稚園児の弟、ユーちゃんはどう言う訳か「バネ」が好きで
     筑波嶺(つくばね)の 峰より落つる 男女川(みなのがは)
       恋(こひ)ぞつもりて 淵(ふち)となりぬる
    「筑波嶺(つくばね)」はバネを突くことだと考えていた。

    まあ落語の「ちはやふる」を花魁の「ちはや」に振られ妹分の「かみよ」も聞く耳もたず、と解釈するようなものだ。

    だけどもこの映画のように高校生の「競技かるた」にはどうも違和感を覚える。
    「スポコンもの」になって「かるた道」を踏み外しているのではないかと。

    僕の思惑とは別に「競技かるた」を題材にした末次由紀の少女コミックス「ちはやふる」
    累計2100万部を超える国民的大ベストセラーだと言う。

    映画化された「ちはやふる」は2016年には2部作([上の句][下の句])として公開され、「上の句」が20位で16.3億円、「下の句」が36位で」12.2億円、合計38.5億円も稼いでいる。映画興行も大成功だ。
    因みにこの16年は、アニメ「君の名は」が250億円を超す史上初のメガヒットで映画全体が上げ潮ムードに乗ったこともある。
    あれから2年、「結び」は満を持して放つから少なくとも20億円を狙うだろう。

    ストーリーをざっと追ってみる。
    瑞沢高校競技かるた部の1年生・綾瀬千早(広瀬すず)がクイーン・若宮詩暢(松岡茉優)と壮絶な戦いを繰り広げた全国大会から2年が経った。
    だから映画の「結び」も2年経つのだ。
    3年生になった千早たちは個性派揃いの新入生たちに振り回されながらも、高校生活最後の全国大会に向けて動き出す。

    一方、藤岡東高校に通う綿谷新(新田真剣佑)は全国大会で千早たちと戦うため、かるた部創設に奔走していた。そんな中、瑞沢かるた部で思いがけないトラブルが起こる。部長の真島太一(野村周平)が辞めると言い出す。
    千早、太一、新はバラバラに成ってしまうがエンディングでどう締めるか興味が湧く。

    広瀬すずが役柄と同様に芝居も上手くなっているのに驚く。

    新たに登場する瑞沢かるた部の新入生・花野菫役をNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の優希美青、筑波秋博役を「ミックス。」の佐野勇人が
    千早のライバル・我妻伊織役を「3月のライオン」の清原果耶、史上最強の名人・周防久志役を「斉木楠雄のΨ難」の賀来賢人がそれぞれ演じる。
    キャスティングも色々と考えている。

    若手俳優が騒しいが、ガーディアンの師匠・原田秀雄役の國村隼が画面に登場するとユーモアも緊張感も出て来る。矢張りベテランの演技力ですな。

    脚色・監督の小泉徳宏は続投でシリーズ3本を撮り終わる。TV局で甘やかされずプロダクション「ROBOT」で現場を踏んでいるのが良い。演出も上手くなってきた。


    3月17日よりTOHOシネマズ系で全国公開される

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    渋谷の東急ホテル「セルリアン・タワー」は従業員教育が出来ていない。
    昨夕アメリカの友人夫妻と40階のバー「べロビスクト」で6時半に会う約束で6時20分に着き、従業員にその旨を話しバー入口のソファーで待っていた。40分になっても現れないのでメイルでどうした?と確かめるともう10分も待っている、そちらこそ何処に居るのだ?と。
    待っている間、2-3人の従業員に聞くとご予約は頂いていますが未だですと。
    従業員を無視してバーに入るとちゃんと座ってカクテルを飲んでいる。

    3年前2階のロビーでやはりアメリカの友人と会うことになっていたが、広いロビーで彼がカフェテラスの中なので気が付かず、従業員に待ち合わせをしているがアメリカ人で僕と同じように誰かを探している人がいないかと聞くと、そんな人はいないと言う。30分すぎてコンシェルジェのデスクへ行くとその友人も同じように尋ねているところで会うことが出来た。

    昨日の「べロビスト」で更に後日談がある。立ち上がるとウェイトレスが勘定書きを僕に突き付ける。外人と飲むと日本人が払うものと決めている。友人が気づいてピックアップしてくれたから助かったが、僕を待たせた従業員たちはお詫びの一言も無い。
    セルリアンで同じ苦い思いをしたが、これは従業員教育がしっかり行われていないことを如実に示している。

    さて今日紹介する映画は前世界を騒然とさせた黒人スーパーヒーロー映画「ブラックパンサー」だ。最終試写で無理にお願いして見せて貰ったが「吹き替え版」でがっかり。

    冒頭で監督、ライアン・クーグラーが日本向けに挨拶メッセージが挿入される。低い声に黒人独特の訛り、アクセント。これが吹き替えだと標準語の正統日本語で聞かされるから嫌になる。

    2月第3月曜日の19日は「プレジデント・デイ」今年最初の大作「Black Panther」のメガヒットで市況は湧いている。

    北米、4020館で上映され、いきなり201.8M(217億円)のデビュー。祝日の4日間で235M(253億円)に達した。(20日に数字は修正)

    海外は通常黒人映画は難しいが49か国で開け169M、殆どの国で首位の座を占めている。
    海外で1位となった韓国では25,3M(西洋映画で歴代5位)、UKが24.8M,など。近日公開ではロシアが22日、日本が3月1日、中国が9日と海外BOの前途は明るい。
    現在のワールドワイド総計は404M(434億円)

    キャストは全員黒人。それでいてMarvelでは「Avenger」(12)を抜いて歴代5位のデビュー成績。
    2月公開映画では「Deadpool」(16)の156Mの記録を遥かに抜いて第一位。
    観客があらゆるデモグラフィック層に広がっているのも強みです。アフリカン・アメリカンが37%、白人が35%、ヒスパニックが15%とスーパーヒーロー映画で入場者がこんなに拡散した層に広がっているのは初めてだ。女性層も45%と半数に迫る。(普通だと精々35-40%)だ

    制作費は200M(215億円)。観客の出口調査(CS)ではA+評価と、Marvelでは12年の「Avenger」以来の最高評価。

    2016年の「シビル・ウォー」でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に初登場した、国王と

    ヒーロー、2つの顔をもつMarvelの新たなスピン・オフ・ヒーローだ。
    なぜこれほどのメガヒットを齎せたのか?をつらつら考える。

    アフリカの秘境に誰も知らない「エデンの園=ワカンダ」がある。何処までも澄んだ青空をバックに常緑樹の生い茂った森や平原、豊富な水源を持つ巨大な瀧。ドローンでの空撮でその絶景を余すところ無く紹介する。空中には宇宙船が飛行する。

    ハリウッドのスーパーヒーローものではいつでもNYやLAのような大都会。摩天楼の間を縫って悪人を追いかける。人混みでの格闘では巻き添えもでる。スーパーヒーローはネタも出尽くしたし、シリーズものはクリシェの連続で金属疲労を起こし観客は飽き飽きしている。。

    アフリカの秘境と言う環境でスーパーヒーローのアクションは原点帰りで「アメリカンドリーム?」の追求を可能にする。

    アフリカの秘境にある超文明国家「ワカンダ」には世界を滅亡させるパワーを持つ希少鉱石・ヴィブラニウムの産出国だった。この鉱石は最新のテクノロジーを生み出す一方、悪の手に渡らないように歴代のワカンダ王はスパイを各国に潜入させ情勢を探りワガンダ王国を守って来た。

    国王の父を亡くした若きティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)は国王の地位につくべくあらゆる挑戦者をなぎ倒し国王となり、守護者「ブラックパンサー」に即位する。しかし国王の心構えが出来ておらず昔の婚約者ナキア(ルピタ・ニョンゴ)への想いもたちきれず亡き父王の遺志の間で悩んでいる。

    その頃ワガンダを狙う謎の男エリック・キルモンガ-(マイケル・B・ジョーダン)が闇の武器商人、ユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)と組み陰謀を巡らせ始める。
    ようやく父王の遺志を継ぐ決心をした若き国王ティ・チャラが、国を守るためにブラックパンサーとして活躍する。

    この出で立ちがカッコ良い。スタイリッシュな漆黒のスーツを身にまとい、鋭い爪と優れた戦闘能力を誇るブラックパンサー。

    エンディングクレジットに挿入される国連での国王ティ・チャラの宣言が良い。今まで孤立主義のワガンダは持てる超近代的アセットをフルに使用し世界平和に貢献すると。
    出席していた白人の外交官が「お前の国はちっぽけな産業と言っても農業しかない小国だ。一体何が出来るんだ?」と。続編があることは明らかだ。

    原作は古く、1966年のスタン・リーとジャック・カービーの
    「ファンタスティック・フォー」に登場する。
    主人公ブラックパンサー=ティ・チャラ役は41歳のチャドウィック・ボーズマン。初の黒人メジャーリーガー、J・ロビンソンの「42~世界を変えた男~」や「ジェームス・ブラウン」などの伝記映画に出演している。
    共演に「それでも夜は明ける」でオスカーを受賞したルピタ・ニョンゴ,国王の妹役シュリで天才科学者役のレティ―シャ・ライト
    他にアンディ・サーキス、ダニエル・カルルウヤ、アンジェラ・バセット、フォレスト・ウィティッカー、ウィンストン・ドュークなど。

    監督は「クリード チャンプを継ぐ男」などの黒人、ライアン・クーグラー。この映画で主人公クリードを演じたマイケル・B・ジョーダンがパンサーの敵役として出演。

    3月1日より丸の内ピカデリー他全国公開される。

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     前の晩は殆ど徹夜だったのでこの映画のは寝るぞと思って見始めたが、チェーンソーで人間が切り刻まれ、血がドパッと飛び散り、巨大な豚が人肉を貪る、怖い怖いで寝る間も無かった。

    それにしてもホラー映画の基礎を作った巨匠、トビー・フーパー(Tobe Hooper)が昨年夏、8月に亡くなったニュースにビックリした、74歳だった。彼の映画は殆ど見ている。
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    今日紹介する映画はフーパーの監督デビュー作「悪魔のいけにえ」(74)の前日譚だ。だから死ぬ前年17年に制作したこの作品のプロデューサーを担当している。
    墓場の上に家を建てた一家が幽霊に悩まされる「ポルターガイスト」(82)や宇宙に飛び出す「スペースバンパイア」(85)など、ホラー映画の革新や変化進歩に腐心して数々のヒット作を生みだした。
    監督した「リヴィッド」「屋敷女」のフランス人コンビ、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロの2人はトビーのDNAを受け継ぎ、オリジナルを超える作品になるよう努力が見える。

     映画の冒頭は1950年代のテキサスの田舎。コーンの畑道でポニーの頭を被った少年を轢いてしまう。ケガは無く少年は足も速く遠い農場へ逃げこむ。ソーヤー農場と看板は立派だが廃屋のような母屋は足の踏み場もない。

    先ほどの少年の5歳の誕生日。ケ-キのロウソクを吹き消した少年にバースデイプレゼントに両親や兄たちから贈られた「チェーンソー」。床に縛られて転がっている人間を切り裂いてみろと言われ少年は最初の人殺しをする。

    凄惨な殺人事件を起こし、精神病院に入れられた少年ジャクソン。数年後、3人の入院患者と共に看護師を誘拐して施設を抜け出した彼は、復讐に燃える警官に追われながら恐ろしい逃走劇を繰り広げる。

    B級ながら名作と称えられるホラー映画「悪魔のいけにえ」(Texas Chain Saw Massacre)の前日譚で、同作に登場する殺人鬼レザーフェイスの少年時代を描いた作品。
    凄惨な殺人事件を起こし、精神病院に入れられた少年は成長しジャクソン(サム・ストライク)の名は知られるようになる。

    3人の入院患者と共に看護師リジー(ヴァネッサ・グラッセ)を人質として誘拐して施設を抜け出した彼は、ハートマン保安官(スティーブン・ドーフ)率いるテキサス市警に追われながら恐ろしい逃走劇を繰り広げる。

    人質になるリジ―役のヴァネッサ・グラッセは身体にピチピチのワンピースで川を渡り泥中を這いずりまわり一家の魔手を逃れようとするが何れも失敗。このキャット&マウス劇はかなりセクシーだ。その美形の顔の皮膚を剥がし被るエンディングの凄絶さは目を背ける。

    ハートマンは娘をソーヤー一家に殺されており、一族と見ると片端から打ち殺す。
    演じるのは「ブレイド」「SOMEWHERE」の口ひげとテンガロンハットの似合うスティーブン・ドーフ、

    ソーヤー一家も悪いが保安官のハートマンはそれを上回る凶悪さだ。一家の保安官へのリベンジも短刀で動きを止めチェーンソーでハラワタを削り出す。
    一家のゴッドマザーは「死霊館」のリリ・テイラー、子どもたちへの殺しの指令は血も涙もない。

    主人公のジャクソンに扮するサム・ストライク短い髪に鋭い目、中々のイケメンだが凄みがある。「死霊館」や「メイズランナー」などの脇で顔を出している。初めての主演だ。
    これだけホラーで観客を怯えさせればフーパーも草場の陰から満足して見ているだろう。

    5月12日より新宿シネマカリテにて公開される

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    中川監督作品で最初に見たのが「走れ、絶望に追いつかれない速さで」だった、
    タイトルの斬新さと誌的表現に惹かれて監督・脚本の中川龍太郎に注目した。
    一昨年の第28回東京国際映画祭の「日本映画スプラッシュ」部門で入選上映された映画だ。

     それは中川龍太郎自身の実体験に基づいた物語。
    青春の日々を共に過ごした親友・薫の死を受け入れられないでいる主人公の漣。亡くなった理由も分からず、悲嘆に暮れた慌ただしい日々が過ぎ去るなかで悲しさを紛らわしてゆく。ある時、薫が描き遺した大切な1枚の絵が手に入る。そこには薫の中学時代の同級生・環奈の姿があった。


    今日紹介する、最新作「四月の永い夢」は2017年、世界四大映画祭と言われる第39回モスクワ国際映画祭のメインコンペティション部門に正式出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞、ロシア映画批評家連盟特別表彰を授与されている。

    国際的には如何にも日本的で哲学的なテーマが「良く分からないが、いいんじゃない」って感じで受賞しているが、テーマは同じ喪失感から立ち直ろうと努力する主人公を描きながら中川自身のスタイルに拘り過ぎてインパクトや説得性が希少になり、その分商業性(Box Office)が失われるのではないかと心配になる。

    桜の季節に恋人を亡くした滝本初海(朝倉あき)、27歳。
    桜と菜の花の咲き誇る背景を前に初海は単調なモノローグで心境を語る。
    類似のシーンは映画の展開に伴い何度も現れる。

    T・ウィリアムスの「欲望という名の電車」の主人公で物語の進行役をモノローグで進めるブランチのようだ。

    中学の音楽教師を辞めて3年、東京国立市の大学通り。近所の蕎麦屋でアルバイトをしている。
    変わらない日常のなかで恋人の母親から一葉の手紙が届く。

    それは3年前の春に亡くなった恋人が初海に向けて書き遺したものだが、彼女自身も開封しようとしない。

    そば屋の常連で隣の工場で働く志熊(三浦貴大)からの求愛や、かつての教え子、楓(川崎ゆり子)との再会、そば屋が倒産し無職となる初海。
    親友の教師、朋子が産休に入るから臨時教師をしないかと言う援助も断る。

    周りの人物は魅力的な役者や豊富なエピソードに溢れているが消化していない。特に三浦貴大が好演している志熊との関係や楓のボーイフレンドのDVなどバカバカしい夾雑物だ。

    教え子役の川崎と先生だった朝倉が実年齢が共に26歳と言うのは頷けない。
    そのため老け顔の楓はジャズ歌手志望だと言って「As Time Goes By」げ劇中で歌われる「カサブランカ」をワザワザ観に行くか?しかも黒人ピアノ弾きのサムが歌っているから参考にもならない。「イングリッド・バーグマンって誰?」は可笑しかったが。

    封を切らない一葉の手紙はエンディングに大きな白抜き字幕で現れる。
    ミステリーの最後の謎が明かされるような勿体ぶった「フツー」の手紙だが、最後の留めの一行で初海のトラウマが解消される、と言うのも大げさ過ぎるのではないか。

    初海が胸につかえていた想いや喪失感が手紙の最後のフレーズで、乗り越えてゆくことが出来る程のインパクトを感じない。

    若い主人公の感情の機微を繊細に綴ろうとした中川龍太郎監督の意図は分るが、画面で観客に納得させるほどの説得性に欠ける。

    主演の朝倉あきは知らなかったが「神様のカルテ」などの脇で顔をだしたことがあるようだ。特に美人でもないし芝居も上手いとは思えない普通の女性だ。

    このところ活躍が目立つ三浦貴大が子犬みたいに只管ヒロインに憧れるだけと言うのも詰らない。

    天真爛漫な楓役の川崎ゆり子も初めて見る顔だがジャズ歌手役なら1曲聞かせろよ。その癖、朝倉に「書を持ち僕は旅に出る」をフルコーラス(鼻歌ながら)歌わせている。「赤い靴」に中川は何か特別な思い入れがあるらしい。

    前作の「走れ、絶望に追いつかれない速さで」の方がより完成度も高い作品だった。
    恋人を亡くした喪失感やトラウマを抜け出し新しいテーマで中川龍太郎は再出発して欲しい。「人生って失っていくこと」だろう。

    5月12日より新宿武蔵野館にて公開される

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    ニューヨークに住む現代っ子トーマスの大人への通過儀礼を描く青春ドラマは可笑しく楽しい。
    セントラルパークサウス(CPS)の高層アパート「トランプパーク」に長く住んで居た僕はレストランやバー、ホテル、公園の遊歩道と懐かしさ一杯の映画だ。

    先ずこの変てこなタイトル、NYで生きているただ一人の少年」はサイモンとガーファンクルの曲でメキシコに長期滞在しているガーファンクルに、NYに1人取り残されたサイモンが自分の淋しさを歌ったものだとの解説で納得する。
    劇中にはS&Gやボブ・ディランの曲がふんだんに挿入されている。

    主人公のトーマス・ウェブ(カラム・ターナー)は物書きになりたいがまだ何者にもなれていない。
    大学卒業を機に高級住宅街のアッパー・ウエストサイドにある親元を離れ
    庶民的なロウワー・イーストサイドで一人暮らしを始めた。
    豪華なアートギャラリーで成功し富豪の父親から離れたかった。
    しかし虚弱体質の母、ジンジャー(シンシア・ニクソン)のことは気にかかる。

    物書きのようだがアパートの隣人で風変わりな売れそうもないW.F.ジェラルド(ジェフ・ブリッジス)が近づいて来て、友人となった彼から人生のアドバイスを受けることになる。
    特に文学のコーチは念入りだ。

    ある日、想いを寄せる古書店員のミミ(カーシー・クレモンズ)と行ったナイトクラブで、父、イーサン(ピアース・ブロスナン)が若い女性、ジョハンナ(ケイト・ベッキンセ-ル)と親しくしているのを目撃してしまう。
    ストーカーまがいにトーマスはホテルにしけこむところまで追いかける。それも一度だけではない。

    W.F.の助言を受けながらジョハンナを父から引き離そうと躍起になるうちに、「あなたの全てを知っている」という謎めいた彼女の魅力に溺れそのまま寝てしまう。

    ジョハンナの魅力と愛しているミミの間に揺れ動くトーマス。

    退屈な日々に突如発生した情事が予想もしていなかった自身と家族の物語に及ぶことになる。

    作家の才能がある男と全くない男、二人の男はジンジャーを愛してしまった。ジンジャーはトーマスの生みの母だ。
     
    ビタースイートなラブストーリーで感涙を流させた「(500)日のサマー」でデビューし、スーパーヒーロー映画「アメイジング・スパイダーマン」シリーズで大ヒットを飛ばし、「gifted/ギフテッド」で天才少女の家族の素晴らしさを描き、どんなジャンルの作品も見事に仕上げるマーク・ウェブ監督。
     
    悩める主人公トーマスは、「グリーンルーム」や「アサシン クリード」などの英国俳優カラム・ターナー。イギリス人に典型的なNYっ子を演じさせるウェブ監督の得意技

     いやに慣れ慣れしい押しかけ友人W.F.を演じるオスカー俳優、ジェフ・ブリッジスは流石に上手い。ジェフのナレーションと視点でトーマスの退屈な日々の物語はミステリアスでユーモラスなものになる。

    「007」シリーズのアクション俳優、ピアース・ブロスナンもすっかり年を取った。
    「セックス&シティ」のシンシア・ニクソン、
    父と息子を両天秤でセックスをする蠱惑的なジョハンナ役のケイト・ベッキンセール。
    トーマスがそれ程美人でも無い黒人のミミ(カーシー・クレモンズ)に入れあげるのが
    僕には分からない。
    クレモンズは初めて見る顔だ。

    未発表の優れた脚本を連ねたハリウッドの「ブラックリスト」に入っていたアラン・ローブによる脚本にウェブ監督がほれ込み、10年以上をかけて映画化を実現したと言う。

    NYっ子コメディに堪能して映画の後はカクテル「マンハッタン」を飲んだ。

    4月14日より丸の内ピカデリー他で公開される