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年間500本を越える映画を見る映画狂・恵介。TVやDVDで見る映画は映画ではない。映画はアメリカや東南アジアや日本でも劇場で試写室で見る映画のみに限られ、その感想やコメントを毎日書き込みます。今まで休んだのは上海に滞在した2012年の4日間だけ。サイバーコップが日本中国間のブログ・アクセスを切断したからです。それ以外は皆勤、アクセスは52万回を数える。
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    日本の興行成績はアメリカが凋落傾向にあるが、ソコソコ堅調だ

    先週末の首位は
    「HiGH&LOW THE MOVIE」は16年から始まり今年8月に第二弾「END OF SKY』に引き続き「HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」が、この週末土日2日間で動員23万7千人、興収3億円を上げ初登場1位を獲得。先行上映分を含めると、既に動員28万3000人、興収4億3千万円に到達。カジノ用地を巡ってヤクザの団体に挑む4つの若者グループとの死闘。物語は想定でき毎回ワンパターンだが日本のアクションシーンは凄絶を加えハリウッドにひけをとらない見応えがある.

    2週目となり上映劇場が52スクリーン増え、うち31スクリーンで4Dでの上映がスタートした「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」は、動員17万人、興収2億2500万円と、動員・興収ともに先週を2割上回り2位をキープ。10億円の大台も見えてきた。

    さて今日紹介する映画はかなり期待していた。
    大ブレイクして売れっ子の高橋一生が主演し、どんな役でもこなせるベテラン俳優転じて監督になり数々の短編の評判が良い斎藤工が長編映画監督でデビューすると言うから当然だ。題名も「blank13」とカッコ良い。

    出だしは好調だった。
    廃屋のようなボロアパートに毎日押し掛けて来て扉や窓を叩き大声で罵声を浴びせる借金取りの群れ。息を殺して居留守を使う松田家の家族、父母と幼い少年2人の4人家族。
    ギャンブル好きの父、松田雅人(リリー・フランキー)は働きもせず昼間から麻雀荘に入り浸り。競馬競輪競艇と勝てる訳がなく一家は貧乏のどん底に喘いでいる。

    雨の降る日曜日、ちょっとタバコを買ってくるわ、と父雅人は家を出たまま帰って来ない。母、洋子(神野三鈴)は新聞配達や夜のホステス、寝る間を惜しんで内職と働き詰めで子どもたち、ヨシユキとコウジを育て父の借金を返している。

    13年前に家を出た父は末期の肝臓がんだと言う知らせが届くが誰も見舞いに行こうとは言いださない。
    兄ヨシユキ(斎藤工)は「父のようになりたくない」と苦学して大学を卒業し今は大手広告代理店のパリパリの社員。

    現金輸送車の警備員をしている次男のコウジ(高橋一生)はキャッチボールをしバッティングを教えてくれた父に悪い思い出が無い。

    その半年後、雅人は亡くなり一家は葬儀場で兄コウジを喪主として雅人を見送っている。
    この辺りまでは何処かで見た話でドーってことは無い。

    斉藤工の脚本と演出の技量が問われるのはここからだ。

    ハッキリ言って詰らない。
    葬式に出席した人々を描くのだが、内容がスカスカ。

    葬儀場に二つの葬式が行われていて両方とも松田家。雅人の葬儀には会葬者が少ないことを際立たせようとするが、その設定がチープで受付が一々その旨を伝えるのもいら立つ。

    そして会葬者たちの故人の思い出。麻雀仲間の岡宗(佐藤二朗)が「人が好過ぎて金を貸してた」、オカマが出て来て「抱かれてみたかったわ」、病室で同居の病人がジュースを買って来てくれて優しかった、カラオケで「つなぐ」が愛唱歌だったなどなど他愛のない話を延々と続ける脳の無さ。

    良い役者が揃っているのに本がダメなんだ。

    俳優の斎藤工の長編監督デビュー作はどうも不発で終わったようだ。それでも素材として実を結びそうなネタは幾つもある。
    これを反省の糧としてもう一度斉藤工映画を送り出して欲しい

    2月3日よりシネマート新宿にて公開される。

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    原題は「ドイツへようこそ」それが邦題の「おもてなし」になるようだ。

    第二次世界大戦でナチス・ドイツが600万人とも言われるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の贖罪として難民の受け入れと人権の尊重を憲法で定めている。
    ユダヤ人はイスラエルが国家として認められるまで世界に散った難民でディアスポラだった。

    1960年代にトルコ難民、1990年代にベルリンの壁が崩壊後の東欧諸国、旧ユーゴスラビア難民などを受け入れてきた。今や8000万人の全人口の約20%、1600万人が移民だ。

    更にこのところ急増しているシリア難民80万人を受け入れるとメルケル首相が「人道的責任を果たす」と発言しているのは、そんな歴史的経緯もあるからだ。

    ドイツは第二次世界大戦の敗戦国として、道義的責任を今でも果たしており、成熟した先進国の中でも工業大国として、働き手を求めていること。EU諸国では、最も経済的な優等生でもあるからだ。

    同じ敗戦国ながらGDP3位の国の日本はドイツを見習わなければならない面は多い。
    しかし難民受け入れはドイツ国内ではそんな美談で済まされず大きな問題を抱え、市民の間で反発が出ているのだとこの映画で始めて知る。

    ドイツ・ミュンヘンの閑静な住宅街に暮らすハートマン家。教師を引退して時間を持て余す母親がアフリカからの難民を受け入れたいと言い出す。

    一見、平穏そうに見えるハートマン家。母親がアルコール依存症でお互いを理解できずにバラバラになっていた家族の面々。

    ある日ディナーの席で教師を引退して生き甲斐を見失った母、アンゲリカ(センター・バーガー)は、難民の受け入れを宣言。

    夫のDr.リヒャルト・ハーマン(ハイナー・ラウター)の反対を押し切って、難民を自宅に住まわせるようとする。
    アルコール依存症になったアンゲリカを心配した夫が難民たちの面接に臨む。

    ディアロが神妙な面持ちで「僕が仕事で留守中に家族は殺された」と告白する姿にうたれてナイジェリアから来た難民の少年、ディアロ・マカブリ(エリック・カボンゴ)を選ぶ。

    15歳のディアロは決して卑屈にはならない。自我や誇りを持ち娘のソフィー(バリンナ・ロジンスキー)などハートマン家や周囲の人々と触れ合い楽しく過ごす。

    しかし住宅街の人々はそうはいかない。ディアロの退去を呼びかけるプラカードを持ったデモが起きる。

    ドイツはネオナチ党や右翼の連中は難民に反対している。
    トランプ大統領と一緒で職を安い移民難民に奪われているのが理由だが、犯罪者が増加するとも主張する。

    しかしここで大騒動が起きてしまう。永住権をとるためにディアロは「亡命申請」をするが却下されてしまうのだ。

    果たして、崩壊寸前の家族と天涯孤独の青年は、平和な明日を手に入れることが出来るのだろうか?
    基本的にはシリアスなドラマでは無く、外国人との文化や習慣の違いによる数々の事件がオカシイ喜劇なのだが、日本人には余りにかけ離れていて違和感があり笑えない。

    アメリカでは公開もされていないから日本の方がマシだ。
    ドイツ人だけが笑えるドイツ国内向けの映画だ。

    しかしどんなハプニングでも難民問題が底にあれば陽気に冗談まじりに受け取るのは難しいのではないだろうか?

    「ドイツアカデミー賞」観客賞を受賞し、2016年度ドイツ映画興行収入NO.1を記録。
    監督は俳優としても活動する「デッド・フレンド・リクエスト」などのベルリン生まれ45歳のサイモン・バーホーベン。

    主役のアンゲリカは「戦争のはらわた」の76歳のセンタ・バーガー、しかしアルコール依存症で夫を悩まし、難民受け入れの口火を切るものの物語の中心人物ではない。

    実質的主役はディアロ・マカブリを演じるエリック・カボンゴ。アフリカのキンシャサ生まれの33歳で15歳の少年を演じるから驚く。

    夫のDr.リヒャルト・ハーマンに扮するハイナー・ラウターは悦楽晩餐会〜または誰と寝るかという重要な問題〜』(97)でブレイクした人気俳優。
    他に「君がくれたグッドライフ」のフロリアン・ダーヴィト・フィッツらが出演。

    1月より銀座シネスウィッチで公開される。

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    ハッキリ言って黒土三男監督は僕の中では05年の「蝉しぐれ」で終わっている。
    電通が制作費を負担し俣木楯夫社長がタイトル前にエクゼクティブプロデューサーとして一枚看板で登場する。37年東宝助監督受験に落ちた俣木がその夢を実現させた作品だが巨額の制作費を投入して質的にも量的にも、何のリターンも得られなかった。

    山本周五郎の名作を黒土監督に脚本を任せたのが失敗で俳優は市川染五郎、木村佳乃と一流なのが揃っているのに人物が描き切れていない、ドラマが盛り上がらない、薄っぺらなリベンジもので終わってしまった。

    演出は助監督として下積みが長いので「絵」はしっかりしたものを撮る。しかし本を書かせたら途端に才能が無いのがバレる。

    この映画でも、監督は良いが原案、脚本を任せたのが間違いだろう。
    主人公の豆腐屋、島田勇作だけは思い通りに力を込めているのでヴィヴィッドに描かれている。
    「頭文字D」のおやっさんのイメージにも重なる。

    和紙を濾して水を作り、そこに浸して素晴らしい豆腐作る。包丁を入れ小さく切った真っ白な一切れを冷たい水からすくい上げ一口食べて満足そうな表情が良い。
    そして期間限定の「絹漉し豆腐」の湯豆腐、京揚げに焼き目をつけて大根おろしをかけた「雪虎」など画面から豆腐と豆腐料理が迫って来る。

    僕は小林捻侍が好きだから、寅さんのように自分のフィロソフィーを宣告し理屈を捏ね自己主張を曲げず義理人情に溺れて行く姿は興味深く見た。50年の俳優人生で初めての主役と言うのも嬉しい。

    早くに妻を亡くし、娘の志保(壇蜜)と2人で暮らす島田勇作。
    豆腐屋の勇作は毎朝、手間と時間をかけて作った豆腐を近所の主婦や料理屋に届ける生活を続けている日常は画面で順調だ。

    しかし勇作を取り巻く人物が描かれていないし、ドラマが全く無いのだ。

    娘、志保の壇蜜のキャラは何?自動車修理工場の敏腕のメカニックって今頃存在するの?
    色っぽい壇蜜だけに、男を咥え込んでのロマンスを盛り込むが、それだけの尻切れトンボ。

    岩手で震災に会い一家全滅の中生き残って勇作に引き取られる木内政美役の少年、新井陽太をオーディションで選ばれたシンデレラボーイと絶賛しているが、ブスで無表情(震災の後遺症かも知れないが)、芝居はまるで出来ない。オーディションなら他にも一杯候補の少年がいるだろうが。

    平田満扮する自動車製造会社の社長がお忍びで豆腐を買いに来て売り切れを無理やり手に入れ、社員幹部を集めて「モノづくりの原点を見た」と演説をぶつのもオーバーだし有り得ない。

    終盤に突如、勇作と政美少年が宮沢賢治の「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」を斉唱で吟じるが取って付けた違和感は免れない。

    千葉の浦安で震災に会い豐田市に移住しトヨタ自動車とその関連会社や豊田市を巻き込んでの地元映画。

    黒土監督も12年振りの作品だ。

    豊田の山里の豊かな自然と文化の中で「ものづくりの魂」と「こころの復興」をテーマにしているのは分かるが、地元は突然降って湧いたような「厄災」に戸惑っている。

    主役の小林捻侍や壇蜜の他に高島礼子、平田満、六平直政、神戸浩ら錚々たる役者が脇を固める。
    50年の役者人生で初主演の小林捻侍に拍手を送ってそれで満足だ。

    1月27日より丸の内TOEI他で公開される。

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    中国では今年1月28日の旧正月の書入れ時、インドでは共和国記念日の1週遅れの2月3日から公開が始まり、両国とも大ヒットとなっている。全世界では既に280億円を突破していると言う。

    中国14億5千万人、インド12億5千万人、人口世界1位と2位の国で娯楽が少ないせいか両国ともに映画が大好きな国民性がある。ところが互いに相手国の映画を輸入していない。中国は早くからアメリカに興味を持ちAMC(映画館チェーン)を買収したりリージェンシーと言うインディ最大のプロダクションを手中に収め今ではメジャーのパラマウントを狙っている。

    そこへ行くとインドは内面志向のドメスティック。言語が多様化しているので、ボリウッドと言われるように世界一の800本以上の作品を撮っているのに自国内のみで公開している。
    おまけにインド映画には厳然たる「あらすじも結末もわかっている」定番の物語のスタイル。

    そして長い、3時間、4時間当たり前。
    おまけに唐突に集団でダンスを始める。
    だから日本では今一つ、「マハラジャ」でインド映画が再認識され
    「スラムドッグ&ミリオネア」で地歩を固めたと思ったが、長すぎる上に途中で全員が歌い踊るヘンテコミュージカルのインド映画は基本的に違和感があって受け入れられない

    しかしアメリカでは2年前のの「Baahubali: The Beginning」(邦題「バーフバリ 伝説誕生」)とその続編で今年の「バーフバリ 王の凱旋」(Baahubali2: The Conclusion)シリーズや15年の「Bajirao Mastani」(日本未公開)などがヒットして、インド映画への関心は高まっている。
    「バーフバリ 伝説誕生」は今年4月28日に上映が始まり、他の強敵「ワイルドスピード8」などに伍し3位につけた。

    興行成績よりも驚くのは大作なら3000館から4000館の上映だが、その1/10、僅か420館ながら10.1M(15億円)を上げる効率の良さだ。

    翌週には7位に落ちたが416館で3.4M、まだ効率は良い。
    同じ週末(5月5日―7日)に世界を見れば、ワールドワイド総計は147.3M(168億円)で「ワイルド~8」を抑えて堂々の2位だからボリウッド映画をバカにしてはいけない。

    日本では15年4月に公開されたが不調だったオリジナルの「Baahubali: The Beginning」(邦題「バーフバリ 伝説誕生」)の続編「バーフバリ 王の凱旋」は、新宿ピカデリーのような一流館で正月映画として勝負するから配給元「ツイン」は必死の覚悟だし、インド映画の将来を占う大事な興行だ。

    これまでの興行成績でワールドワイド総計では2015年の「バーフバリ 伝説誕生」は114億円、この2017年の「バーフバリ 王の凱旋」は303億円も稼いでいる。
    当然制作費もインド映画としては破格だ。オリジナルの第一作では31億円、この完結編で42.5億円、2作品併せると73.5億円も注ぎ込む。ハリウッドの基準からは並み以下だが日本映画の制作費と比べると破格の費用をかけている。

    しかしワールドワイドで420億円も稼げば73.5億の巨費を投じてもリクープ出来ている。勿論インドは世界に冠たるIT国、従ってCGを多用したVFXの見事さはハリウッドを超える。


    話を本筋に戻すと、ジャッキー・チェン主演の「カンフー・ヨガ」は、インドと中国にとって、初の映画での合弁事業となる。 現在の中国市場では、インド映画はほとんど上映されていないので、この映画がヒットすれば(インド)ボリウッド映画の中国市場への売り込みの足掛かりになると言う思惑が強い。

     監督は91年の「Stone Age Warriors」(日本未公開)でデビューし、「ポリスストーリー3」や「レッド・ブロンクス」などでチェンと組んでいる香港生まれ58歳のスタンリー・トン。

    残念なのはインドと中国の文化を取り入れ、ヨガとカンフーの競合を描くべきなのに、スタンリー・トンは自国、中国の観客におもんねて中国寄りになっているのが惜しまれる。

    主役は、兵馬俑博物館で考古学者を務めるジャック(ジャッキー・チェン)なのだが悪者はランドル(ソーヌ―・スード)と言うマガダ王国反乱軍リーダーの末裔だ。

    話は古い。西暦647年、天竺(インド)は友好関係にあった唐(中国)へ財宝を献上しようと旅に出る。天竺で権力の座を確保したアルジェカは財宝を強奪しようとして雪崩に会い財宝諸とも埋まってしまう。このエピローグで圧巻は巨象の王の軍団に襲い掛かる反乱軍の騎馬兵たちの戦闘だ。VFXも相俟って見事な戦闘シーンは「バーフバリ」を彷彿させる。

    1世紀半飛んで現代。
    中国・西安市の博物館に勤務する名高い考古学者ジャック(チェン)は、同じく考古学者で国際博物館研究所から来たヨガの達人でもある若いインド美女のアスミタ(ディシャ・バタミ)から彼女の持ち込んだ古い地図に歴史に隠された失われた財宝の埋められた場所が分かると言う。興味を掻き立てられたジャックは助手のシャオヴァン(レイEXO)とヌゥオミン(ムチミ)ジャックの親友の息子ジョーンズ(アーリフ・ラスツール)それにアスミタとその妹で助手のカイラ(アミラ・ダスツール)の一行は探検旅行に出かける。

    約1500年前にインドと中国の間で起きた混乱の中で消えてしまった財宝は地図の通り洞窟の中で埋まっていた。
    ところがあっさりと13の金貨がぎっしり詰まった箱に秘宝ピンクのダイアモンド「シバの目」を見つけたものの大富豪ランドル一味の窃盗団に襲われ奪われてしまう。しかしゴタゴタの争奪戦の中ダイヤを持ち逃げしたのはジョーンズだから呆気にとられる。
    探す財宝は見つけた金貨の数100倍もありそのありかがダイアモンドに隠されていると言う。そして味方の筈のジョーンズは何でダイアを盗んだのか?話は複雑だね。

    その2週間後、盗まれた秘宝である212カラットのダイアモンドがドバイのオークションに出品されると言う情報を得る。ジャックたちは友人から借金をして1億6千万ドル(180億円)で競り落としジョーンズは大喜び。ところがそのダイアがまたもや奪われアスミタがランボルギーニでのカーチェイスが凄い。

    ストーリーに納得性が無いが、ライオンが出て来たり、ハイエナの群れの中に飛び込み仲間を救ったり、ハチャメチャアクションの連続。

    ハイライトはジャックのカンフーとランドルのヨガ対決。両方とも一歩も譲らず目にも止まらぬ早業を駆使するが息も絶え絶えの63歳のチェンが意気軒高の44歳のスードと死闘を延々と繰り広げるが凄い迫力で目が離せない。

    中国、インド、ドバイ、アイスランドとドローンの空撮も多用し世界を巡っての観光も楽しめるコミカルなアドベンチャー。

    そして大団円のお楽しみはボリウッド映画に必須の集団ダンス。打楽器に合わせジャッキー・チェンに美男悪漢、ソーヌ―・スードも仲良く、チャーミングな女優たち、ディシャ・バタミもアミラ・ダスツールも揃って器用に綺麗に踊りまくる。、

    主人公ジャックに扮するジャッキー・チェンは今年だけでも「レイルロード・タイガー」や「スキップ・トレース」など3本を数える。還暦は遥に過ぎているが、まだアクションスターとして現役だ・
    悪役、ランドルを演じるのはインドの人気俳優ソーヌ―・スード、日本では馴染みがないが筋骨たくましいハンサムガイだ。

    トレジャーハンターのジョーンズは「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」などの香港の人気俳優アーリフ・リー。

    インド女優はアスミタ役のディシャ・バタミも、妹のカイラに扮するアミラ・ダスツール、彫が深く目が大きく笑顔が美しい女優ばかり。

    他にアイドルグループ「EXO」のレイらが出演している。

    ジャッキーお得意のカンフー・アクションに「インディー・ジョーンズ」や「300」を掛け合わせ、
    インド映画ボリウッドを巻き込んで1時間47分と超短い娯楽活劇。「カンフー・ヨガ」はバカにして見始めたが笑う笑う、見逃せない正月映画だ。

    12月22日よりTOHOシネマズスカラ座他で全国公開される

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    一昨日(18日)の丸の内TOEIでのプレミアム試写は立ち見が出るほどの熱い空気に包まれて満席。
    試写後に登場した白石和彌監督を迎えた観客の万雷の拍手。
    久し振りに「東映らしい」ヤクザ映画を堪能したと言う拍手だ。おどろいたことに9時近くになるが誰も席を立って帰る人もいない。

    ヤクザ映画なんていつの間にかワンパターンになって先が読める単純なものが多く客が離れて行った。
    だがこの映画、何が良いかと言うと「本」なんだろうと思う。
    柚月裕子の原作が抜群に優れているのだ。登場人物をヴィヴィッドに描いて複雑なプロットを構成しその展開がカタルシスを伴って興味深い。

    池上純哉の脚色(脚本では無い。念の為)が巧みにテンポとツボを捉え、冴えわたる芝居の才能を秘める役所広司を筆頭とする役者軍団を見事に司どり意のままに演出する白石和彌が存在して仕上げた作品はヤワでは無く2017年の掉尾を飾る強烈な映画となった。

    冒頭はヤクザの凄絶な拷問を受け手足の指を1本1本切り取られて行くサラ金の所長,上早稲二郎(駿河太郎)の悲痛な叫び声から始まる。

    物語の舞台は暴対法成立以前、1963年の広島県の架空の呉原市。暴力団が割拠してシマを巡り抗争を続けている。

    地場の「尾谷組」の組長、尾谷憲次(伊吹吾郎)が刑期を務める間に広島市から五十会会長、五十子正平(石橋蓮司)の命を受け傘下の加古村組の組長、加古村猛(嶋田久作)を筆頭に若頭野崎康介(竹野内豊)や構成員、古田慈(音尾琢磨)、勝矢(苗代広行)などが広島から出張って呉原市で暴れ回っている。

    サラ金は尾谷組のフロント企業。呉原市へ進出を狙う加古村組は尾谷組を潰し進出資金を捻出するにはサラ金所長を痛めつけ本店の金庫を開けさせごっそり資金を頂こうと言う寸法だ。

    妹、上早稲潤子(Megumi)の上早稲二郎失踪を受け呉原警察は動き出す。主任、大上章吾巡査部長(役所広司)とコンビを組む新米の日岡秀一巡査(松阪桃李)。
    広島大学出の秀才だがベテランの大上主任のやることには驚くことばかり。聞き込みに行った暴力団から分厚い札束入りの封筒を受け取るし、飲み食いするレストランやバーは無銭飲食。地取りの捜査もしないでパチンコ三昧。文句を言おうとすると端で打っている大男に喧嘩をしろと言う。コーヒーを間違ってかけた振りで殴り合いになるが丁度大当たりのラッキー7が出た大上は見向きもしない。ようやく腰を上げて大男、勝矢を二人がかりで押さえボコボコにしながらサラ金所長の行方、死体を何処に隠したと問い詰める。大男は苗代と言う加古村構成員だが核心に触れると恐怖に駆られ公務執行妨害や車にパケがあったと抑えると10年のムショ行きと脅しても効果が無い。

    冒頭からこの辺り、殺人事件と大上が察知するまでの畳みかけるテンポに暴力団同士の抗争の火蓋を切る切っ掛けとなるシーンへの展開が素晴らしい。

    広島大学を出て警察学校を終え理想に燃えて初めての事件に取り組む日岡巡査の現場で、大上主任の悪徳警官振りに驚く。が捜査方法が規定に外れたとは言え確実に殺人犯の跡を追跡するカンの素晴らしさに感銘する。おまけにヤクザを人間扱いにしないが、堅気の一般市民の安全安心に気を配る人間性にも感銘を受ける。

    大上章吾を演じる役所広司が素晴らしい。彼くらいのベテランになると所謂「臭さ」が出るのだが、完璧にリセットして上辺は「悪徳刑事」を装い、違法捜査をブルドーザーのように猛進する姿は日岡で無くとも危惧を覚えるが、内面は暖かい人間性に溢れたハートを秘めている芝居は下手な役者が演じるとシラけるものだがさすが役所は凄い。

    日岡秀一の松阪桃李が成長している。映画の中で大上に従いながら反発しそして大上のエッセンスを鳩首して成長する。そんなニュアンスの変化を細かく演じ切っている。

    ヤクザ映画に女は付き物だがクラブ「梨子」の美人ママ、高木里佳子の真木よう子も官能的な芝居で蠱惑する。真木にこんな色っぽい演技ができるとは思わなかった。

    僕は柚月裕子の作品は好きで沢山読んでいる。最初は検事ものシリーズだった。
    「最後の証人」、「検事の本懐」、「臨床心理」「検事の死命」「蟻の菜園(アントガーデン)」「朽ちないサクラ」「ウツボカズラの甘い息」そして「孤狼の血」検事ものからスタートし警察ものへ移行していく。中でも2年前に出版された「孤狼の血」が一番感動した。
    柚月裕子は「『仁義なき戦い』なくしては生まれなかった作品。女が入ろうとしても入れない世界だからこそ格好いいというか、憧れました」と語っている。
    「第69回日本推理作家協会賞」受賞、「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」第2位、「このミステリーがすごい!」(2016年度版)第3位。更に「第154回直木賞」にノミネートもされた。
    大沢在昌や佐々木譲、乃南朝、黒川博行などは警察ものから直木賞を勝ち得たが柚月は彼らを凌ぐがノミネートはされども未だ無冠の女王だ。

    「仁義なき戦い」(シリーズ1作目)から44年。再びあの強烈な暴力団抗争と介入する警察、その混沌とした死闘を裁こうとする一匹狼。悪徳警官を装いながらあらゆる(汚い違法な)手段で情報を手に入れケジメを付けて歩き回る大上の生き様はまさに「孤狼」だ。

    所轄捜査二課の新人刑事・日岡秀一と、捜査のためには手段を選ばず、署内の上下関係は無視、ヤクザとの癒着すらしている異端刑事の大上章吾主任。正義感と警官の使命を全うしようとする日岡は蛇蝎の如く大上を嫌った。
    違法行為は当たり前の大上のすさまじい行動力と大胆な判断に驚異の目を瞠るうちに、やがて大上の暖かい人間性に触れ、そして尊敬してやまない存在にまで昇華する。いってみればこれは今流行りの「バディ・ムービ-」ではないか。

    白石和彌監督は2010年の「ロストパラダイス・イン・トーキョー」で長編映画デビューを果たし、これまでに「凶悪」や「日本で一番悪い奴ら」「牝猫たち」など4作品を撮っている。理詰めでテーマを観客に納得させ理解させ確実にヒットに導く力量は知っていたが、この作品では余すところなくその才能を開花させていて間違いなく彼の代表作となるだろう。

    2018年5月12日より丸の内TOEI他で全国公開される。

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    原題Justice Leagueは「正義の仲間たち」と大上段に振りかぶりスーパーマン喪失後の地球を襲う凶悪なステペッテンウルフとその手下たちと死闘を尽くす。単純なスーパーヒーローたちの話だが思った以上に興奮し楽しめた。

    アメリカでは17日から公開され5本目の「DC Extended Universe」(DCEU)の中でも最低のデビュー。全国4051館で公開され、少なくとも110Mを突破するとの予測も裏切る96.0M(108億円)止まり。
    好調なMarvelのMCUに対抗しているDCEU(DC Extended Universe)5作品の中でも最低の出だしだ。DCEUは2013年の「Man of Steels」の116.6Mからスタートしている。

    しかし「Justice League」は海外では愛されていて65カ国で185.5M(208億円)の週末デビューで、特に中国単独で51.7M(58億円)は注目に値いする。
    同様南米でも好調でブラジルでは史上初の14.2Mを記録しています。ワールドワイド総計は当初の予測値325Mを下回る281.5M(316億円)で着地している。
    プロの批評はやや辛口だし出口調査ではB+評価、ロットントマトは40%で客足が止まった。

    冒頭、子どもたちがスーパーマンにインタビューをしているスマホの粗い画面。
    「地球にとって良いことって何?」
    スーパーマン(ヘンリー・カビル)は答えず真っ暗闇になり地球に危機が訪れている暗示となる。
    レオナード・コーヘンの曲が流れる「Everybody Knows」「誰でも知っている戦争は終わったのだ。誰でも知っているグッドガイは死んだのだ」

    このスーパーヒーロー集団映画はかなりフィロソフィカルだ。
    スーパーマン亡き後、地球の荒廃と危機を察知し悩むのがバットマンことブルース・ウエイン(ベン・アフレック)。

    スーパーマンの母親マーサ・ケント(ダイアン・レイン)の家は銀行に差し押さえられ、難民受け入れに反対の悪党どもがムスリムの衣料雑貨屋を襲う。絶望的な崩壊が処々に見られる。

    バットマンがダイアナ姫・ワンダ―ウーマン(ガル・ガドット)に「遠くから敵、ステペッテンウルフ(シアラン・ヒンズ)とその手下たちはやって来る」と呟くとプリンスは「やって来るどころかもう来ているわよ」と。

    我々だけでは防ぎようがないとスーパーヒーローたちに声を掛ける。
    オンリーワンの超人たちが顔を揃えるプロセスのは昔の「ミッション・インポシブル」形式だ。
    全身が機械に覆われている謎の男、サイボーグ(レイ・フィッシャー)はかつてアメフットの花形プレイヤーだったが交通事故で半分機械半分人間、デジタルデバイスで世界のデータをアッと言う間に収集できるし、怪力で無愛想な海の王者アクアマン(ジェイソン・モモア)はアトランティスの継承者で水中のことなら何でも任せられる。一番年少のフラッシュ(エズラ・ミラー)は光速で走ることが出来る。
    このように前代未聞のお友達の居ない孤独なヒーローを集めてリーグを結成する。

    バットマンカーに乗せたフラッシュに「あなたは何ができるの?」と聞かれたバットマンは「俺は超金持ちだ」と答えるのが可笑しい。

    相変わらず執事のアルフレッド(ジェレミー・アイアンズ)にかしずかれるおぼっちゃまのブルース。
    新種の武器と色々のアドバイスを貰う。

    チームを統率するリーダーだが時々弱音を吐くバットマン。美女戦士ワンダ―ウーマンがチームを任せて欲しいとバットマンに迫る自信たっぷりのダイアナ姫の強気のシーンもある。彼女はヘスティアの縄と何でも跳ね返す盾と言う無敵の武器を操る。

    マーベルの17本のMCU作品群に対抗してDCのヒーローたちの世界を描く「DCUW」はこれで5本目。DCは未だMarvelに敵わない。

    監督は、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のザック・スナイダー。(しかしザックの家庭に不幸がありアベンジャーの監督だったジョス・ウェドンが引き継いだのは良いが本を書き直し再撮を入れて制作費は300M(322億円)にまで膨れ上がったと言う。

    WBは予想以下のBOと急増した制作費を抱え真っ青になって善後策を考慮中。

    出演は、バットマンに「夜に生きる」のベン・アフレック、「ワンダーウーマン」で一躍スターになったガル・ギャドット、アクアマンに「DEBUG/ディバグ」のジェイソン・モモア、光速で走るフラッシュに「プリズン・エクスペリメント」のエズラ・ミラー、機械人間サイボーグに「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」のレイ・フィッシャーなど。

    監督交代制作費倍増などビハインドシーンのことは分からないが仕上がった作品は悪くない。
    お友達の居ないスーパーヒーローが集うとこんなことが出来るんだ。

    今週末の11月23日(祝日)より丸の内ピカデリー他で全国公開される

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    日本でも千例以上あるらしいが、非常に稀有な病気「抗NMDA受容体脳炎」に罹った若い女性ジャーナリスト、スザンナ・キャラハンが再生するまでの実話を描いた「脳に棲む魔物」(Brain on Fire: My Month of Madness)の映画化。

    この珍しい病気「抗NMDA受容体脳炎」とは、ある時は凄い幸福感に包まれているかと思うと次の瞬間絶望的に被害妄想となり廻りの人を家族であれ同僚であれボーイフレンドであれ、罵倒し始めるのだ。

    ニューヨーク・ポスト紙(タブロイド版で日本で言えば夕刊フジのような大衆紙)で実習生として働く21歳のスザンナ・キャラハン(クロエ・グレース・モレッツ)は、いつかフロントページに自分の署名入りの記事を夢見て仕事に励んでいる。

    ボーイフレンドのスティーヴン(トーマス・マン)はプロのミュージシャンを目指し、二人は仲良く結ばれる将来の夢を見ていた。

    だがスザンナに異変が起きる。段々と物忘れがひどくなり、先輩記者のマーゴ(ジェニー・スレイト)の推薦もありVIPの上院議員への重要な取材に出かけるがそこでとんでもないミスをしてしまう。
    職場に戻って来ても、さらに幻覚、幻聴、けいれんに悩まされるが、どこの病院へ行ってもどんな先生に検査をしてもらっても結果は異常なし。

    スザンナの症状は見るに堪えないような凄まじさだ。
    ベッドで寝ていても、そしてもがき、喘ぎ、暴れ回り、看護する人たちをなぎ倒す。か弱いスザンナに悪魔が摂りついたとしか思えない。「エクソシスト」のリンダのようだ。

    離婚していた両親、父トム・キャラハン(リチャード・アーミティッシュ)も母、ローナ・ナック(キャリー・アン・モス)も病院に駆けつけるが手の施しようがない。
    異常なしと診断した先生たちは、会話もままならなくなったスザンナを精神科への転院を勧める。徐々に手足も動かなくなってくる.

    スザンナの両親や恋人のスティーヴン、先輩記者のマーゴは「精神病院か」とショックで疑問を感じる。

    そこに救世主として現れるのがシリア人の医師、スーヘル・ナジャー(ナヴィッド・ネガーバン)。
    彼女に時計の絵を描かせたところ数字が総て右半分に集中している。
    これは脳が炎症を起こしている証左だと言う。
    専門的なことは分からないが自己免疫症にかかり脳が炎症を起こして身体を攻撃しているのだと。

    アメリカの偉そうな白人の医師たちがスッタモンダの末,自己弁護のため落ち着く先は精神病棟。
    映画はスザンナの狂気の病状を描くのは良いが、発症の原因を究明し突き止めた医師をヒーローとして描くべきだ。ましてや今は世界の嫌われ者になっているシリア人だぜ。

    難病映画でカタルシスが味わえるの原因を突き止め明らかにする「ダイアグノシス」(diagnosis)だ。
    シリア人として白人の中で肩身が狭いキャリアを送っているナジャー医師にもっと拍手を送り称えるべきではないだろうか。

    クロエ・グレース・モレッツは熱演しているが、
    監督の27歳アイルランド人ジェラルド・バレットでは人生の経験も苦労もしていないだろう。スザンナの家系はアイルランド、だから若くとも国民性が分かっているアイリッシュの監督で、とはイージーすぎると言うのは考えすぎかな。

    人種はともかく、こんな難病の本を書き、撮るのは大変で手に負えないだろうと言う気がする。
    原作はスザンナ・キャラハンが実際の闘病生活を描いた自伝の「脳に棲む魔物」。
    1か月半だけで職場復帰ができた功績は、このはダイアグノシスを確定したシリア人医師、スーヘル・ナジャーだからスポットライトをもっと当てるべきだ。

    製作総指揮はオスカー女優のシャーリーズ・セロン。
    主演は「キック・アス」シリーズなどのクロエ・グレース・モレッツ。19歳だがポスト紙の記者と言うのはリアリティが無い。仕事も恋愛も順調な新聞記者見習いが、幻覚や幻聴、全身のけいれんの原因がわからず苦悶する演技は迫力がある。
    トーマス・マン、キャリー=アン・モス、リチャード・アーミティッジ、タイラー・ペリー、ジェニー・スレイトらが脇を固める。
    12月6日より角川シネマ有楽町にて公開される。

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    週末の映画動員ランキングで首位になったのは「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」。
    興収2億円を上げ、公開から3週目にして初の1位を獲得した。WBは派手な宣伝活動をしなかったので出だしは躓いたが、口コミの効果で高校生など若年層を取り込むことに成功し、16日間の累計興収は11億4400万円を超えた。

    初登場でベスト10に引っ掛ってようやく9位につけたのは、引退を宣言し4年振りの
    監督に復帰したスティーヴン・ソダーバーグのクライム・ムービー「ローガン・ラッキー」。
    素人の脚本家が書いたNASCARの売り上げを奪う話は余り良い出来では無く、アメリカでも不振。日本でも3千万円にも届かず。45億円の制作費の半分をソダーバーグ監督が自身で負担しているから相当懐は痛んでいる。

    今年53歳になったメキシコ人監督、ギレルモ・デル・トロは少し変わった天才だ。アメリカで映画の勉強を終えメキシコに帰国後特殊メイク・造形の会社を立ち上げ10年以上特殊メイクに関わった。

    1993年、29歳の「ミクロス」からは映画監督にも乗り出す。最初の企画「ヘルボーイ」の映画化は彼が長年夢見ていた企画でヘルボーイ役にロン・パールマンの起用を主張しスタジオと対立。説得に7年もかかって04年に公開した「ヘルボーイ」のヒットでユニバーサルから「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」続編が08年に公開された。

    01年の「デビルズ・バックボーン」に続いて06年、スペインで製作した「パンズ・ラビリンス」は世界的に高い評価を得、ファンタジー映画のヒットメイカーとして世界の注目を浴びた。
    ハリウッドのメジャースタジオからの依頼で「パシフィック・リム」(13)や「クリムゾン・ピーク」(15)の監督をして成功を収めている。

    引き続きこの巨費を投じる2作品のシリーズ監督の依頼が来ていたがあっさり断り低予算のこの「シェイプ・オブ・ウォーター」の原案・製作・脚本・監督に集中している。

    「ヘルボーイ」からの一連のブラック・ファンタジーがデル・トロのメインストリームだ。

    観客が驚くのは、ファンタジーと言えど、聾唖の便所掃除の中年女性が狂おしく恋する水陸両棲の得体の知れない生物の出現だ。
    こんな映画、デル・トロの頭の中からしか出て来ない。

    舞台は1962年、アメリカとソ連は冷戦真只中で宇宙開発での覇を争っている。
    ワシントンDCにほど近いバルチモアにある古びた映画館の2階のアパート。一人で暮らすイライザ(サリー・ホーキンズ)は小さい頃受けたショックのトラウマで声が出ない。真夜中に清掃員としてアメリカの政府機関、「宇宙航空研究センター」に出勤している。

    友だちは居ない。顔を合わせるのは政府機関のセンターで、同じ便所掃除係りのゼルダ(オクタビア・スペンサー)と隣の部屋に住む貧乏画家のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)だけ。猫を飼っている。ホモでダイナーの店員(モーガン・ケリー)にちょっかいを出して広告イラストレイターの職まで失う。

    そんな中,新しく異動して来たホフステトラ―博士(マイケル・スタールバーグ)のチームが厳重な警備のもと不思議な生き物を持ち込む。
    孤独に単調な毎日を送るエリサは政府機関の実験室に勤めている。ある日、彼女は施設の中で飼われている半魚人と出会うことで人生が一変することに。

    数日後ゼルダとイライザに緊急呼び出しがかかる。清掃してくれと言われたセンターの床は血だらけ。どうやら威張り腐っていた将校のストリックランド(マイケル・シャノン)が生物の逆襲に会ったようだ。

    ストリックランドの上司、ホイト元帥には有人宇宙飛行の前にアマゾンの奥地で捕まえた生物をロケットに乗せてソ連の開発に対抗すべきだと主張している。

    血を拭きとりながら閉じ込められた檻の中の生き物を見るイライザ。青緑の鱗に覆われた痩身の彼(ダグ・ジョーンズ)は一目でイライザの心を捉える。

    次の夜からイライザは彼の檻へ通い始める。聾唖の彼女の「手話」は生き物と会話が進み、心が通じるようになる。

    性に刺激を受けバスタブに漬かりながらマスターベーションに耽るイライザは単なるお掃除オバサンを脱して段々綺麗になるようだ。

    段々と生物とのロマンスが発展し檻から解放しバスタブで愛を交わしタブを出て部屋中を水浸しにして水の中のラブシーンはファンタジーの世界だ。

    41歳の美人でも無いイギリス人女優、ウディ・アレンの「ブルー・ジャスミン」で認識した程度のオバサン女優が全裸になり生物と絡む場面は水槽の中を覗き込んでいるような気になる。

    映画全体はタイトルのように「水の形」から発展して「グリーン」一色の濃淡で描かれている。古いアパートの壁、ダイナースのインテリア、豪華なキャデラックまで緑だ。

    そして古い50年代から60年代の映画を見ている感じになる。例えば生物はあの「アマゾンの半魚人」を彷彿させる。

    「パシフィック・リム」や「クリムゾン・ピーク」といった大作のシリーズを断りと「パンズ・ラビリンス」のような小規模なファンタジードラマこそがデル・トロ監督の心の拠点なのだなと納得する。

    今年の第74回ベネチア国際映画祭では、最高賞にあたる金獅子賞に輝き、来年のオスカーを狙う本作はアメリカでは12月4日から公開される。

    主演のサリー・ホーキンズは『パディントン』『ブルージャスミン』などに顔を出しているが日本の観客には馴染みが無い。声を発することができないが不思議な生物を恋してしまった中年女を表情豊かに演じている。

    イライザの同僚で真夜中の清掃係に「ヘルプ」や「ドリーム」などのオクタヴィア・スペンサー。
    売れないホモの画家は「扉をたたく人」などのリチャード・ジェンキンスがイライザを温かく支える。

    「マン・オブ・スティール」などのマイケル・シャノンがイライザたちを執拗かつ残忍に追い詰めるエリート軍人にふんしている。

    ギレルモ・デル・トロ監督の原点復帰の作品はファンには必見の作品だろう。

    数々の賞の発表が終わった3月1日より全国公開の予定。

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     昨日(22日)の試写会が行われたTOHOシネマズ六本木ヒルズ・スクリーン2は満員の盛況。9時過ぎまでの上映を熱心に見つめていた。
    アメリカでは11月10日に始まりチャート第3位。3341館で上映され予測を超えた28.2 M。
    制作費は55M(62.5億円)

    海外市場では25,903スクリーンで先行上映されており累積は57.2M。ワールドワイド総計は112.2M。
    これでフォックスの赤字は免れる。

    17日からの2週目は5位に入って3354館で13.8M,10日間累積は51.7 M。
    海外で20.7M積み上げ96.5M、グローバル総計は148.2M(165億円)になる。


    1934年の初版から世界で愛されているアガサ・クリスティーのクラシックミステリーの映画化を名探偵エルキュール・ポワロの監督・脚本そして主演のケネス・ブラウナウが演じる
    他に、乗客にはジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ウィリアム・デフォー、ジュディ・デンチ、ミシェル・ファイファー、ジョッシュ・ガッドなど豪華なオールスターキャスト。

    僕は1974年のMGM制作、シドニー・ルメット監督の豪華キャストの大作で、地味な宣教師役のイングリッド・バーグマンがアカデミー女優助演賞を授与された(大した演技でもないのに)この「オリエント急行殺人事件」第一弾を思い出す。

    キャストにはポワロ役にアルバート・フィニー、ラチェット役にリチャード・ウィドマーク、ローレン・バコール、ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、アンソニー・パーキンス、マーティン・バルサム、ヴァネッサ・レッドグレイヴ

    43年振りの映画化された第2弾も豪華なキャストだ。
    ただケネス・ブラウナウのエルキュール・ポアロの八文字のグレイな口髭だけは映画TVで見慣れたものの1.5倍はあるのだろう。
    顔半分を隠している。57歳になったシェイクスピア役者のベルギー人名探偵はみものだ。

    中東での仕事を終えたポアロ(ケネス・ブラウナウ)は、雪の降りしきるイスタンブールを後にして、フランスのカレー行きのオリエント急行に乗り、ヨーロッパへの帰途に就く。

    列車に乗り込む際、偶然出会ったアメリカ人、エドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)から護衛を頼まれる。
    「殺すぞ!」と切り文字の脅迫状を受け取っており、ポアロに必死に訴えるが、ラチェットは凶悪なギャングだと知っているポアロは断る。

    その夜、オリエント急行の一等寝台車のベッドで、エドワード・ラチェットが12か所を刃物で刺され殺されていた。

    一等車両はポアロの他、教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。

    現場には燃やされた手紙が残されており、そこから解読されたのは「小さいデイジー・アームストロングのことを忘れ」という言葉だった。

    ラチェットはかつて、富豪アームストロング家の幼い娘、デイジーを誘拐して殺害した犯人だったのだ。
    「翼よあれがパリの灯だ」で知られる大西洋無着陸横断飛行で富豪になったリンドバーグの幼児が誘拐され殺害された事件にヒントを得て
    アガサ・クリスティーはいまだ捕まらない犯人にミステリーの上で復讐を遂げ鬱憤を晴らして人気が出て
    34年発行の本は売れ現在まで続いている。

    出演者の中では女優陣が印象に残る。皆クラシックな上品な衣装をキッチリと身に着けているだけに禍々しさが目につく。

    未亡人のキャロライン・ハバード夫人に「ダークシャドウ」などの59歳のミシェル・ファイファー。(オリジナルでは妖艶ローレン・バコールだった)「マラヴィータア」依頼4年振りに見るが赤毛のボブカットで未だ瑞々しい、

    宣教師のピラール・エストラバドスは「それでも恋するバルセロナ」などのスペイン女優、ペネロペ・クルス。いつもの派手な役柄と打って変わり地味なグレイのセーターに身を包む。

    ナタリア・ドラゴミロフ公爵夫人扮する83歳のジュディ・デンチ。007シリーズで8回連続でMI6の「M」を演じたが、この映画では我が道を行くの勝手気まま婆さんで列車内を荒らし回る。

    被害者のエドワード・ラチェットを演じるジョニー・デップはアメリカ人の還暦のギャングで富豪。額が後退し口髭と鋭い目が光る。オリジナルのリチャード・ウィドマークは見るからにギャングだったがデップは紳士らしさを残している。

    ストーリーは密室犯罪の時代物で、犯人や動機や殺しの方法まで知っているガチガチものでフレクシブルな変更の余地は余り無いが、歌舞伎や文楽の鑑賞のようにその時その場で演じる役者と演出する監督そして美術やカメラを楽しむ。

    古典芸能の堪能の方法だ。

    12月8日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー

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     昨日(22日)の試写会が行われたTOHOシネマズ六本木ヒルズ・スクリーン2は満員の盛況。9時過ぎまでの上映を熱心に見つめていた。
    アメリカでは11月10日に始まり第3位。は3341館で上映され予測を超えた28.2 M。制作費は55M(62.5億円)

    海外市場では25,903スクリーンで先行上映されており累積は57.2M。ワールドワイド総計は112.2M。ここでフォックスの赤字は免れる。

    17日からの2週目は5位に入って3354館で13.8M,10日間累積は51.7 M。
    海外で20.7M積み上げ96.5M、グローバル総計は148.2M(165億円)になる。


    1934年の初版から世界で愛されているアガサ・クリスティーのクラシックミステリーの映画化を名探偵エルキュール・ポワロの監督・脚本そして主演のケネス・ブラウナウが演じる
    他に、乗客にはジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ウィリアム・デフォー、ジュディ・デンチ、ミシェル・ファイファー、ジョッシュ・ガッドなど豪華なオールスターキャスト。

    僕は1974年のMGM制作、シドニー・ルメット監督の豪華キャストの大作で、地味な宣教師役のイングリッド・バーグマンがアカデミー女優助演賞を授与された(大した演技でもないのに)この「オリエント急行殺人事件」第一弾を思い出す。

    キャストにはポワロ役にアルバート・フィニー、ラチェット役にリチャード・ウィドマーク、ローレン・バコール、ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、アンソニー・パーキンス、マーティン・バルサム、ヴァネッサ・レッドグレイヴ

    43年振りの映画化された第2弾も豪華なキャストだ。
    ただケネス・ブラウナウのエルキュール・ポアロの八文字のグレイな口髭だけは映画TVで見慣れたものの1.5倍はあるのだろう。
    顔半分を隠している。57歳になったシェイクスピア役者のベルギー人名探偵はみものだ。

    中東での仕事を終えたポアロ(ケネス・ブラウナウ)は、雪の降りしきるイスタンブールを後にして、フランスのカレー行きのオリエント急行に乗り、ヨーロッパへの帰途に就く。

    列車に乗り込む際、偶然出会ったアメリカ人、エドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)から護衛を頼まれる。
    「殺すぞ!」と切り文字の脅迫状を受け取っており、ポアロに必死に訴えるが、ラチェットは凶悪なギャングだと知っているポアロは断る。

    その夜、オリエント急行の一等寝台車のベッドで、エドワード・ラチェットが12か所を刃物で刺され殺されていた。

    一等車両はポアロの他、教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。

    現場には燃やされた手紙が残されており、そこから解読されたのは「小さいデイジー・アームストロングのことを忘れ」という言葉だった。

    ラチェットはかつて、富豪アームストロング家の幼い娘、デイジーを誘拐して殺害した犯人だったのだ。
    「翼よあれがパリの灯だ」で知られる大西洋無着陸横断飛行で富豪になったリンドバーグの幼児が誘拐され殺害された事件にヒントを得て
    アガサ・クリスティーはいまだ捕まらない犯人にミステリーの上で復讐を遂げ鬱憤を晴らして人気が出て
    34年発行の本は売れ現在まで続いている。

    出演者の中では女優陣が印象に残る。皆クラシックな上品な衣装をキッチリと身に着けているだけに禍々しさが目につく。

    未亡人のキャロライン・ハバード夫人に「ダークシャドウ」などの59歳のミシェル・ファイファー。(オリジナルでは妖艶ローレン・バコールだった)「マラヴィータア」依頼4年振りに見るが赤毛のボブカットで未だ瑞々しい、

    宣教師のピラール・エストラバドスは「それでも恋するバルセロナ」などのスペイン女優、ペネロペ・クルス。いつもの派手な役柄と打って変わり地味なグレイのセーターに身を包む。

    ナタリア・ドラゴミロフ公爵夫人扮する83歳のジュディ・デンチ。007シリーズで8回連続でMI6の「M」を演じたが、この映画では我が道を行くの勝手気まま婆さんで列車内を荒らし回る。

    被害者のエドワード・ラチェットを演じるジョニー・デップはアメリカ人の還暦のギャングで富豪。額が後退し口髭と鋭い目が光る。オリジナルのリチャード・ウィドマークは見るからにギャングだったがデップは紳士らしさを残している。

    ストーリーは密室犯罪の時代物で、犯人や動機や殺しの方法まで知っているガチガチものでフレクシブルな変更の余地は余り無いが、歌舞伎や文楽の鑑賞のようにその時その場で演じる役者と演出する監督そして美術やカメラを楽しむ。

    古典芸能の堪能の方法だ。

    12月8日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー