この映画で思い出すのは同じドイツ映画で「ラン・ローラ・ラン」(98)。
恋人のために20分以内で10万マルクの大金が必要になりベルリンの街を走り回る。
父親から借りられず銀行強盗をしてその後に警官に包囲され射殺されるなど3パターンのストーリーがある。
ローラを演じたフランカ・ポテンテはその後「チェ 28歳の革命 / 39歳 別れの手紙」などに出演するなど国際スターの仲間入りをしたがヴィクトリア役のライア・コスタはそこまで成れるか?
ベルリンの街を銀行強盗で追われて走り回るヴィクトリアはローラのエピゴーネン。
あれから17年経っているが、ここまで状況を同じにして良いものか?
しかし手法やテクニックは全く異なる。
全編140分を主人公ヴィクトリアと男4人を手持ちカメラで追いワンカットで描いている点だ。
わずか12ページの脚本をもとに俳優たちが即興でセリフを入れ、街をロケ撮影中に発生したハプニングもカメラに収めながら、ベルリンの真夜中から夜明けの街中を疾走する登場人物たちの姿をリアルタイムで追う。
3カ月前に母国スペイン・マドリードからドイツにやって来たヴィクトリア(ライア・コスタ)は、クラブで踊り疲れて帰宅する途中、地元の若者4人組に声をかけられる。
スキンヘッドノボクサー(フランツ・ロゴウスキー)、ひげ面ノブリンカー(ブラック・イーイット)、少年の面影を残している若いフース(マックス・マウフ)そしてリーダーでヴィクトリアにしきりに喋りかけるゾンネ(フレデリック・ラウ)。
4人はクラブへの入場を断られ外で立ちんぼをしていたがタチの悪い不良連中ではなさそうだ。
まだドイツ語が喋れず寂しい思いをしていた彼女は4人とビールを飲みながら楽しい時間を過ごす。
まして今夜はフースの誕生日だ。
夜も更けヴィクトリアは仮眠をとるためアルバイト先のカフェへゾンネに送ってもらう。
カフェにはピアノがありゾンネに頼まれるまま、彼女はリストの「メフィスト・ワルツ」を見事に弾いて見せる。
ピアノは16年半練習したがマドリードの音楽院(コンセルバトワール)で自分より遥かに腕の立つ仲間が大勢降り、プロのピアニストを諦めフリーターとして生きてきた。
ドイツへやって来たのも気まぐれからだ。
二人にロマンスが生まれかかかった時に仲間3人が連れだってゾンネを呼び出す。
緊急事態が発生したと。
実はボクサーが刑務所で拘留された時も彼を虐めから救い親代わりになって守ってくれた男が大金を必要としている。
彼は裏社会の人物で5万EU(約630万円)の借りを返すため、銀行強盗を命じられた。
若いフースは酔っぱらってゲロを吐いてグロッギー、使いものにならない。
恋心を抱き始めたゾンネの頼みとあれば強盗に使う盗難車の運転は任せてくれとハンドルを握る。
ここから上述のローラに似た街中を走り回る逃走劇が始まるのだ。
全編140分ワンショットと恰好は良いが、手持ちカメラは1台だけ、揺れて見難いし、カメラの切り替えが無いので状況も掴めないこともしばしば。
肝心の銃を持って支店長や行員を脅すシーンもヴィクトリアに張り付いているから分からない。
しかし銀行強盗に成功したからと言ってクラブに全員で繰り込んで踊ったり強い酒を煽るのはバカじゃないの?と思う。
警察に追われているんだろう?
案の上、車で寝ていたフーラが拘束され銃を構えた警官たちに追われることになる。
バカじゃないの?と思えるシーンは沢山あるが、ヴィクトリアの一夜の大冒険と、寛容な心で見ればそれなりにスリリングで面白い。
顔を出す俳優たちは無名なのが知らないドイツの役者ばかり。
ヴィクトリアを演じるライア・コスタは29歳のスペイン新進女優だと。
監督は「ギガンティック」のゼバスティアン・シッパー。
この映画は2015年ベルリン国際映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞、ドイツ映画祭でも作品賞をはじめ6冠に輝いた。昨年(15年)の第28回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映。
と言ってもアメリカで公開の予定は全く無い。
5月より渋谷イメージフォーラムにて公開される
恋人のために20分以内で10万マルクの大金が必要になりベルリンの街を走り回る。
父親から借りられず銀行強盗をしてその後に警官に包囲され射殺されるなど3パターンのストーリーがある。
ローラを演じたフランカ・ポテンテはその後「チェ 28歳の革命 / 39歳 別れの手紙」などに出演するなど国際スターの仲間入りをしたがヴィクトリア役のライア・コスタはそこまで成れるか?
ベルリンの街を銀行強盗で追われて走り回るヴィクトリアはローラのエピゴーネン。
あれから17年経っているが、ここまで状況を同じにして良いものか?
しかし手法やテクニックは全く異なる。
全編140分を主人公ヴィクトリアと男4人を手持ちカメラで追いワンカットで描いている点だ。
わずか12ページの脚本をもとに俳優たちが即興でセリフを入れ、街をロケ撮影中に発生したハプニングもカメラに収めながら、ベルリンの真夜中から夜明けの街中を疾走する登場人物たちの姿をリアルタイムで追う。
3カ月前に母国スペイン・マドリードからドイツにやって来たヴィクトリア(ライア・コスタ)は、クラブで踊り疲れて帰宅する途中、地元の若者4人組に声をかけられる。
スキンヘッドノボクサー(フランツ・ロゴウスキー)、ひげ面ノブリンカー(ブラック・イーイット)、少年の面影を残している若いフース(マックス・マウフ)そしてリーダーでヴィクトリアにしきりに喋りかけるゾンネ(フレデリック・ラウ)。
4人はクラブへの入場を断られ外で立ちんぼをしていたがタチの悪い不良連中ではなさそうだ。
まだドイツ語が喋れず寂しい思いをしていた彼女は4人とビールを飲みながら楽しい時間を過ごす。
まして今夜はフースの誕生日だ。
夜も更けヴィクトリアは仮眠をとるためアルバイト先のカフェへゾンネに送ってもらう。
カフェにはピアノがありゾンネに頼まれるまま、彼女はリストの「メフィスト・ワルツ」を見事に弾いて見せる。
ピアノは16年半練習したがマドリードの音楽院(コンセルバトワール)で自分より遥かに腕の立つ仲間が大勢降り、プロのピアニストを諦めフリーターとして生きてきた。
ドイツへやって来たのも気まぐれからだ。
二人にロマンスが生まれかかかった時に仲間3人が連れだってゾンネを呼び出す。
緊急事態が発生したと。
実はボクサーが刑務所で拘留された時も彼を虐めから救い親代わりになって守ってくれた男が大金を必要としている。
彼は裏社会の人物で5万EU(約630万円)の借りを返すため、銀行強盗を命じられた。
若いフースは酔っぱらってゲロを吐いてグロッギー、使いものにならない。
恋心を抱き始めたゾンネの頼みとあれば強盗に使う盗難車の運転は任せてくれとハンドルを握る。
ここから上述のローラに似た街中を走り回る逃走劇が始まるのだ。
全編140分ワンショットと恰好は良いが、手持ちカメラは1台だけ、揺れて見難いし、カメラの切り替えが無いので状況も掴めないこともしばしば。
肝心の銃を持って支店長や行員を脅すシーンもヴィクトリアに張り付いているから分からない。
しかし銀行強盗に成功したからと言ってクラブに全員で繰り込んで踊ったり強い酒を煽るのはバカじゃないの?と思う。
警察に追われているんだろう?
案の上、車で寝ていたフーラが拘束され銃を構えた警官たちに追われることになる。
バカじゃないの?と思えるシーンは沢山あるが、ヴィクトリアの一夜の大冒険と、寛容な心で見ればそれなりにスリリングで面白い。
顔を出す俳優たちは無名なのが知らないドイツの役者ばかり。
ヴィクトリアを演じるライア・コスタは29歳のスペイン新進女優だと。
監督は「ギガンティック」のゼバスティアン・シッパー。
この映画は2015年ベルリン国際映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞、ドイツ映画祭でも作品賞をはじめ6冠に輝いた。昨年(15年)の第28回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映。
と言ってもアメリカで公開の予定は全く無い。
5月より渋谷イメージフォーラムにて公開される