発症してから3年で死に至る「遺伝性アルツハイマー」。
僕の父親も80歳を迎える前に発症して2年で亡くなった。
病気の進行がそんなに早いとの認識は無く、NY駐在だったので知らせを聞いて直ちに帰国したが通夜にも間に合わなかった。
父の年齢に近づく今日この頃、「遺伝性アルツハイマー」を題材とするこの映画を恐怖の実感を持ちながら鑑賞した。
高齢化社会にあって、アルツハイマー病や認知症といった病気と、どう向き合って人生の最後を終えるのか。これまでもいくつかの映画で警鐘を鳴らしている。
日本映画では若年性認知症を扱った渡辺謙主演の「明日の記憶」が良かったが、
強烈にアルツハイマー病の恐ろしさを印象付けたのは3年前,ジュリアン・ムーア主演の「アリスのままで」(Still Alice)だった。
NYコロンビア大学の言語学教授アリスが授業中に言葉を忘れるは,毎日走っている大学構内で何処に居るか迷うところから「若年性アルツハイマー」と言う病気の存在を知った。
アカデミー女優主演賞を受賞する熱演だった。
これはいま多くの人たちが直面する人生の課題だ。
不治の病と告げられ、自らの余命を知った主人公の女性小説家が、
最後に自分の尊厳を守り、見守る人たちに美しい記憶を残そうと静かに行動する。
同じ作家の夫、綾峰龍二(菅田俊)と別れこの数年は独身を楽しむ売れっ子の女性小説家、松村涼子(中山美穂)は、ある日突然医師から宣告を受ける。
自分が母と同じ「遺伝性アルツハイマー」に冒されていることを知る。
発症から余命は3年しかない。
死を迎える前に、何かをやり遂げようと考えた涼子は、大学で文学の講師を務めることを決める。
講義の初日、学生と訪れた居酒屋でアルバイトをする韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)と出会い、涼子は最後となるかもしれない小説「永遠の記憶」の執筆を手伝わせることに。
年の差は30歳以上離れた若い韓国人のイケメン青年に惹かれる50代の初老の女性と言う図式は納得性がある。
突然可愛がっていた愛犬(ラブラドール)「トンボ」の死により正気を失う涼子、そこへ駆けつけ慰めるチャネといつしか二人は年齢の差を超えて恋人のように惹かれ合っていく。
中山美穂も48歳ながら均整のとれシェイプされた裸身を晒してのベッドシーンに驚かされる。
もう少し露出して胸などを見せてくれたら良いのにと思いながら裸の背中を見詰める。
病が進行するにつれ、涼子は愛と不安と苛立ちの中、
元夫の介入もありチャネとの関係を精算しようと決意するのだが、その思いは到底チャネには受け入れられないものであった。
作家を目指す一人の青年チャネとの出会いにより、自分が何をなすべきかを心に決める。互いの気持ちを量りながらも、2人の思いはすれ違っていく。
韓国に戻り2年後チャネは作家としてデビューし学生時代の友人アンナ(石橋杏奈)に仲介して貰い日本で出版されることになる。
来日し涼子の最後の小説「永遠の記憶」を手にとると、涼子と自分しか知らない記憶が蘇って来る。
介護ハウスに入居している涼子を訪ねるがチャネが誰だか分からない。。
しかし涼子の瞳の中にチャネは存在していることを確信する。
遺伝性アルツハイマー患者の無垢で透き通るような表情は見る者の心を揺さぶる。
過去に何があったか、何をしたかは忘れてしまっても、
愛し合ったことは出会った一瞬に思い出す。
47歳の韓国女性監督、チョン・ジェウンの原案・脚本。
「子猫をお願い」(01)で劇場用監督デビュー、他に建築ドキュメンタリー「語る建築家」(12)(日本公開未定)は4万人を超える観客を動員してヒットになったと言う。
太宰治や森鴎外、林芙美子などの作品をチャネに語らせるなど日本文学の古典などに関心を寄せる劇中劇など、斬新な表現方法で監督のセンスや斬新性を観客に印象付けている。。
「新しい靴を買わなくちゃ」以来となる映画主演が5年ぶりの中山美穂は、自身の年齢よりも年上の女性小説家を好演、
相手役の「アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~」などキム・ジェウクも、素朴な(カマトト風ではあるが)表情と流暢な日本語で物語を引き立たせる。
5月12日より角川シネマ有楽町他で公開される。
僕の父親も80歳を迎える前に発症して2年で亡くなった。
病気の進行がそんなに早いとの認識は無く、NY駐在だったので知らせを聞いて直ちに帰国したが通夜にも間に合わなかった。
父の年齢に近づく今日この頃、「遺伝性アルツハイマー」を題材とするこの映画を恐怖の実感を持ちながら鑑賞した。
高齢化社会にあって、アルツハイマー病や認知症といった病気と、どう向き合って人生の最後を終えるのか。これまでもいくつかの映画で警鐘を鳴らしている。
日本映画では若年性認知症を扱った渡辺謙主演の「明日の記憶」が良かったが、
強烈にアルツハイマー病の恐ろしさを印象付けたのは3年前,ジュリアン・ムーア主演の「アリスのままで」(Still Alice)だった。
NYコロンビア大学の言語学教授アリスが授業中に言葉を忘れるは,毎日走っている大学構内で何処に居るか迷うところから「若年性アルツハイマー」と言う病気の存在を知った。
アカデミー女優主演賞を受賞する熱演だった。
これはいま多くの人たちが直面する人生の課題だ。
不治の病と告げられ、自らの余命を知った主人公の女性小説家が、
最後に自分の尊厳を守り、見守る人たちに美しい記憶を残そうと静かに行動する。
同じ作家の夫、綾峰龍二(菅田俊)と別れこの数年は独身を楽しむ売れっ子の女性小説家、松村涼子(中山美穂)は、ある日突然医師から宣告を受ける。
自分が母と同じ「遺伝性アルツハイマー」に冒されていることを知る。
発症から余命は3年しかない。
死を迎える前に、何かをやり遂げようと考えた涼子は、大学で文学の講師を務めることを決める。
講義の初日、学生と訪れた居酒屋でアルバイトをする韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)と出会い、涼子は最後となるかもしれない小説「永遠の記憶」の執筆を手伝わせることに。
年の差は30歳以上離れた若い韓国人のイケメン青年に惹かれる50代の初老の女性と言う図式は納得性がある。
突然可愛がっていた愛犬(ラブラドール)「トンボ」の死により正気を失う涼子、そこへ駆けつけ慰めるチャネといつしか二人は年齢の差を超えて恋人のように惹かれ合っていく。
中山美穂も48歳ながら均整のとれシェイプされた裸身を晒してのベッドシーンに驚かされる。
もう少し露出して胸などを見せてくれたら良いのにと思いながら裸の背中を見詰める。
病が進行するにつれ、涼子は愛と不安と苛立ちの中、
元夫の介入もありチャネとの関係を精算しようと決意するのだが、その思いは到底チャネには受け入れられないものであった。
作家を目指す一人の青年チャネとの出会いにより、自分が何をなすべきかを心に決める。互いの気持ちを量りながらも、2人の思いはすれ違っていく。
韓国に戻り2年後チャネは作家としてデビューし学生時代の友人アンナ(石橋杏奈)に仲介して貰い日本で出版されることになる。
来日し涼子の最後の小説「永遠の記憶」を手にとると、涼子と自分しか知らない記憶が蘇って来る。
介護ハウスに入居している涼子を訪ねるがチャネが誰だか分からない。。
しかし涼子の瞳の中にチャネは存在していることを確信する。
遺伝性アルツハイマー患者の無垢で透き通るような表情は見る者の心を揺さぶる。
過去に何があったか、何をしたかは忘れてしまっても、
愛し合ったことは出会った一瞬に思い出す。
47歳の韓国女性監督、チョン・ジェウンの原案・脚本。
「子猫をお願い」(01)で劇場用監督デビュー、他に建築ドキュメンタリー「語る建築家」(12)(日本公開未定)は4万人を超える観客を動員してヒットになったと言う。
太宰治や森鴎外、林芙美子などの作品をチャネに語らせるなど日本文学の古典などに関心を寄せる劇中劇など、斬新な表現方法で監督のセンスや斬新性を観客に印象付けている。。
「新しい靴を買わなくちゃ」以来となる映画主演が5年ぶりの中山美穂は、自身の年齢よりも年上の女性小説家を好演、
相手役の「アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~」などキム・ジェウクも、素朴な(カマトト風ではあるが)表情と流暢な日本語で物語を引き立たせる。
5月12日より角川シネマ有楽町他で公開される。