アメリカでは6月21日から上映が始まった
シリーズ第5弾は4069館で開け69.1M(76.9億円)と予想以上の低調。週末3日間に限れば5弾目で金属疲労(Rusty)を起こしているのだろうか。
07年の第1作ですら70.5Mの成績だった。
今日は夏のシリーズ大作がスタジオ関係者の思惑通りの成績を挙げられない金属疲労(Rusty)を起こしている状態をコメントする。
ハリウッドではシリーズ疲労(Serial Fatigue)と呼び、真剣に対応策に当たっている。
キャラが同じでやることなすこと似たようなことを大画面でやられても
飽きてしまっているのだ。
夏に登場したシリーズ大作は総てシリーズ疲労(Serial Fatigue)を起している。
Disneyの「Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales」(パイレーツ・オブ・カリビアン―最後の海賊―)やDisney-Marvelの「Guardians of the Galaxy Vol. 2」(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス)などは軒並み「疲労」している。
このトランスフォーマー第5弾には217M(242億円)と巨額な制作費を注ぎ込んでいる。
デビュー週末で制作費の1/3にも達しなければ、北米だけでは赤字になるのは必至だ。
ところが「救いの神」はアメリカ以外の海外市場。
23日から週末3日間で196.2M(218億円)をたたき出した。
例えば中国では初日のみで41Mを挙げ、週末3日で123.4M(137億円)を記録している。
ハリウッドは中国観客でもっていると言っても過言ではない。
入場料金が平均1230円とは日本の1250円とほぼ変わらない。
一昔前は映画初日の夕刻には海賊版が路上で100~200円程度で売られていた。
映画の著作権なぞ糞くらえで、官憲も手を拱いていた。
中国政府はハリウッド映画の輸入に対して制限(クォータ)をしていた。
政治的に自由や民主主義を唱える映画は輸入禁止にしていた。
民主活動家でノーベル平和賞を受賞した劉暁波などの主張する映画や文学は許さない。
ハリウッド大作(Tentpole)は一切政治に関係無いノー天気作品。
だから中国当局は殆どのテントポールに上映許可を与え、
これがウィンウィンゲームでハリウッドを救っているのだ。
大作は殆どIMAXや3D、中国人は何も考えずに済む大スペクトルな立体映画を好む。
政府当局が輸入する映画はヴィデオ撮影が可能な2D作品を外し、立体映画だけ。
画像が二重になるのでヴィデオで撮っても売り物にならない。
かくして海賊版が一掃された中国観客はシリーズ大作であろうと何であれお墨付きの立体映画を見に映画館に駆けつける。
だからデビュー週末のワールドワイド総計はアメリカ国内が不振でも265.3M(295億円)に達した。
ひとつ日本の映画ファンにとって淋しいのは「日本パッシング」。
プレミアム上映や監督やスターの記者会見、更に映画のシーンなどを含め「日本抜き=パッシング」なのだ。
中国でロケし香港や上海でレッドカーペットのプレミアム上映は中国では当たり前のことになっている。
中国資本(ワンダパンダやアリババなど)のアメリカ映画界支配も目に余る。今やアメリカの映画館配給網のみならず、インディペンデントの大手映画制作会社(レジェンダリーなど)は中国の会社だ。
その後をフォローする。
2週目でアメリカでは3位に落ちるが、海外市場はFatigueは関係無く、44か国で開け68M、
累積で327.8M,ワールドワイド総計は429.9Mに達した。
内中国単独で193.5M(218億円)を挙げているから凄い。
7月16日現在ではアメリカでは125M、海外市場は392M,
ワールドワイド総計は517M(584億円)に達している。
勿論アメリカだけでは赤字になる。
「(北米がダメでも)私たちのビジネスゴールはワールドワイド総計よ。この映画は世界の観客に向けて制作されているのだから」
とパラマウントピクチャー(PP)配給社長のミーガン・コリガンが力説する。
観客の出口調査(CS)ではB+評価。
Tomatometerは15%と酷く、評論家はまっとうにコメント出来ないと匙を投げている。
PPとしては「Baywatch」や「Ghost in the Schell」がコケた後だけに、この世界的ヒットは嬉しい。
マイケル・ベイ作品の最後のLast Chapterと宣伝でうたっていますがスピンオフを含めてこの調子ならシリーズ疲労にも拘わらず後2-3本続けるのではないか。
これまでシリーズ4本は、北米で1.3B、ワールドワイド総計興行収入が3.5B(3,900億円)を記録するなど、世界中で圧倒的大ヒットを続けるシリーズだが「疲労」にどう対処するか?
物語は例によって荒唐無稽。
主人公は前回に引き続きケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)。
地球に秘められたエネルギーを求めて、トランスフォーマーの故郷・サイバトロン星が地球に急接近し、衝突まであと12時間と迫っていた。
しかも人類の守護神オプティマス・プライムまでもが「創造主」に拘束されて敵側に堕ち、人類は絶体絶命の危機を迎える。
そんな中、オートボットの新たなリーダー、バンブルビーと人類は戦いの準備を始める。
謎の英国紳士、エドムント・バートン卿(アンソニー・ホプキンス)は1000年もの遥かな昔から秘かに地球で活動していたトランスフォーマーの秘密を守り続けていた。
オックスフォード大学の教授ヴィヴィアン(ローラ・ハドック)らとともに、
地球の運命をかけた戦いに身を投じていくケイドだったが、
人類が救われる一つのヒントは「アーサー王と円卓の騎士」伝説にあると言う。
タイトルにもある「最後の騎士」のことだが、どうにも唐突過ぎて納得しかねる。
共演にレノックス役でジョシュ・デュアメル、ジミーにジェロッド・カーマイケル、イザベラにイザベラ・モナーなどが顔を見せる。
渡辺謙がドリフトの声を拭き替えている。」
玩具の売り上げでは人類の救世主で守護神のオプティマス・プライムが最大の敵になり、大人気キャラのバンブルビーがついに主役の座を射止め、マスコットとして新キャラのTF版R2-D2が登場する。そっくりさんだ。
監督はシリーズ4本総てを演出したマイケル・ベイ。「アルマゲドン」や「パールハーバー」などの大アクション劇も演出したことは大衆の頭から消えている。
「Mr.トランスフォーマー」のマイケル・ベイだ。
8月頭から日本で上映が始まるが
「疲労」を気にするアメリカ観客態度か?
立体で大スペクトラなら大歓迎の中国観客気分か?
さて日本の映画ファンはどちらだろうかと興味が湧く。
8月4日よりTOHOシネマズ新宿他にてIMAX,3D,2Dで全国公開される。
日劇や丸の内ピカデリーなど銀座、有楽町、日比谷での上映は無い。
配給元東和ピクチャーの地域対策ポリシーを具体的に聞きたいものだ。
シリーズ第5弾は4069館で開け69.1M(76.9億円)と予想以上の低調。週末3日間に限れば5弾目で金属疲労(Rusty)を起こしているのだろうか。
07年の第1作ですら70.5Mの成績だった。
今日は夏のシリーズ大作がスタジオ関係者の思惑通りの成績を挙げられない金属疲労(Rusty)を起こしている状態をコメントする。
ハリウッドではシリーズ疲労(Serial Fatigue)と呼び、真剣に対応策に当たっている。
キャラが同じでやることなすこと似たようなことを大画面でやられても
飽きてしまっているのだ。
夏に登場したシリーズ大作は総てシリーズ疲労(Serial Fatigue)を起している。
Disneyの「Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales」(パイレーツ・オブ・カリビアン―最後の海賊―)やDisney-Marvelの「Guardians of the Galaxy Vol. 2」(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス)などは軒並み「疲労」している。
このトランスフォーマー第5弾には217M(242億円)と巨額な制作費を注ぎ込んでいる。
デビュー週末で制作費の1/3にも達しなければ、北米だけでは赤字になるのは必至だ。
ところが「救いの神」はアメリカ以外の海外市場。
23日から週末3日間で196.2M(218億円)をたたき出した。
例えば中国では初日のみで41Mを挙げ、週末3日で123.4M(137億円)を記録している。
ハリウッドは中国観客でもっていると言っても過言ではない。
入場料金が平均1230円とは日本の1250円とほぼ変わらない。
一昔前は映画初日の夕刻には海賊版が路上で100~200円程度で売られていた。
映画の著作権なぞ糞くらえで、官憲も手を拱いていた。
中国政府はハリウッド映画の輸入に対して制限(クォータ)をしていた。
政治的に自由や民主主義を唱える映画は輸入禁止にしていた。
民主活動家でノーベル平和賞を受賞した劉暁波などの主張する映画や文学は許さない。
ハリウッド大作(Tentpole)は一切政治に関係無いノー天気作品。
だから中国当局は殆どのテントポールに上映許可を与え、
これがウィンウィンゲームでハリウッドを救っているのだ。
大作は殆どIMAXや3D、中国人は何も考えずに済む大スペクトルな立体映画を好む。
政府当局が輸入する映画はヴィデオ撮影が可能な2D作品を外し、立体映画だけ。
画像が二重になるのでヴィデオで撮っても売り物にならない。
かくして海賊版が一掃された中国観客はシリーズ大作であろうと何であれお墨付きの立体映画を見に映画館に駆けつける。
だからデビュー週末のワールドワイド総計はアメリカ国内が不振でも265.3M(295億円)に達した。
ひとつ日本の映画ファンにとって淋しいのは「日本パッシング」。
プレミアム上映や監督やスターの記者会見、更に映画のシーンなどを含め「日本抜き=パッシング」なのだ。
中国でロケし香港や上海でレッドカーペットのプレミアム上映は中国では当たり前のことになっている。
中国資本(ワンダパンダやアリババなど)のアメリカ映画界支配も目に余る。今やアメリカの映画館配給網のみならず、インディペンデントの大手映画制作会社(レジェンダリーなど)は中国の会社だ。
その後をフォローする。
2週目でアメリカでは3位に落ちるが、海外市場はFatigueは関係無く、44か国で開け68M、
累積で327.8M,ワールドワイド総計は429.9Mに達した。
内中国単独で193.5M(218億円)を挙げているから凄い。
7月16日現在ではアメリカでは125M、海外市場は392M,
ワールドワイド総計は517M(584億円)に達している。
勿論アメリカだけでは赤字になる。
「(北米がダメでも)私たちのビジネスゴールはワールドワイド総計よ。この映画は世界の観客に向けて制作されているのだから」
とパラマウントピクチャー(PP)配給社長のミーガン・コリガンが力説する。
観客の出口調査(CS)ではB+評価。
Tomatometerは15%と酷く、評論家はまっとうにコメント出来ないと匙を投げている。
PPとしては「Baywatch」や「Ghost in the Schell」がコケた後だけに、この世界的ヒットは嬉しい。
マイケル・ベイ作品の最後のLast Chapterと宣伝でうたっていますがスピンオフを含めてこの調子ならシリーズ疲労にも拘わらず後2-3本続けるのではないか。
これまでシリーズ4本は、北米で1.3B、ワールドワイド総計興行収入が3.5B(3,900億円)を記録するなど、世界中で圧倒的大ヒットを続けるシリーズだが「疲労」にどう対処するか?
物語は例によって荒唐無稽。
主人公は前回に引き続きケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)。
地球に秘められたエネルギーを求めて、トランスフォーマーの故郷・サイバトロン星が地球に急接近し、衝突まであと12時間と迫っていた。
しかも人類の守護神オプティマス・プライムまでもが「創造主」に拘束されて敵側に堕ち、人類は絶体絶命の危機を迎える。
そんな中、オートボットの新たなリーダー、バンブルビーと人類は戦いの準備を始める。
謎の英国紳士、エドムント・バートン卿(アンソニー・ホプキンス)は1000年もの遥かな昔から秘かに地球で活動していたトランスフォーマーの秘密を守り続けていた。
オックスフォード大学の教授ヴィヴィアン(ローラ・ハドック)らとともに、
地球の運命をかけた戦いに身を投じていくケイドだったが、
人類が救われる一つのヒントは「アーサー王と円卓の騎士」伝説にあると言う。
タイトルにもある「最後の騎士」のことだが、どうにも唐突過ぎて納得しかねる。
共演にレノックス役でジョシュ・デュアメル、ジミーにジェロッド・カーマイケル、イザベラにイザベラ・モナーなどが顔を見せる。
渡辺謙がドリフトの声を拭き替えている。」
玩具の売り上げでは人類の救世主で守護神のオプティマス・プライムが最大の敵になり、大人気キャラのバンブルビーがついに主役の座を射止め、マスコットとして新キャラのTF版R2-D2が登場する。そっくりさんだ。
監督はシリーズ4本総てを演出したマイケル・ベイ。「アルマゲドン」や「パールハーバー」などの大アクション劇も演出したことは大衆の頭から消えている。
「Mr.トランスフォーマー」のマイケル・ベイだ。
8月頭から日本で上映が始まるが
「疲労」を気にするアメリカ観客態度か?
立体で大スペクトラなら大歓迎の中国観客気分か?
さて日本の映画ファンはどちらだろうかと興味が湧く。
8月4日よりTOHOシネマズ新宿他にてIMAX,3D,2Dで全国公開される。
日劇や丸の内ピカデリーなど銀座、有楽町、日比谷での上映は無い。
配給元東和ピクチャーの地域対策ポリシーを具体的に聞きたいものだ。