昨日(26日)のブログに続いて、史実に基づくナチスドイツへのレジスタンス映画を紹介したい。
「エンスラポイド作戦(Operation Anthropoid)」と言うコードネームを原題にしているが、エンスラポイドとは「類人猿」のことで何の関係があるかと訝るが、スパイのコードネームの意味は直ぐに分かってしまうと意味が無い。
ナチス親衛隊大将、ラインハルト・ハイドリヒはアドルフ・ヒトラー総統、ハインリッヒ・ヒムラー警察庁長官に次ぐ、ナチス第3のランキングに叙せられる男。
絶滅収容所を建てユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の基本計画を着々とすすめていた責任者でもある。
ナチスドイツがチェコスロバキアに侵攻し圧政をしくボスこそ、大物ラインハルト・ハイドリヒで、ロンドンにある亡命チェコ政府の指令のもと、レジスタンスが見事暗殺に成功した史実を映画化したもの。
大物暗殺事件は既に、フリッツ・ラング監督が「死刑執行人もまた死す」(Hangmen also die)(43)やダグラス・サーク監督「Hitler’s madman」(45)、
ルイス・ギルバート監督の「暁の7人」(Operation Daybreak)(75)など映画化されているが、
今の若い人は暗殺も映画も知らない。
だからこの映画は改めて史実を振り返り、連合軍から見放されたチェコスロバキアが愛国者たちの命を賭した暗殺計画によりその存在感を示したことを再認識させる。
村上春樹の最新作「騎士団長殺し」はウィーンに留学していた日本画画家が仲間と仕掛けた「ナチス高官暗殺」に失敗し、日独伊三国同盟の恩恵で特赦を受け、
帰国後に暗殺を比喩したドン・ジョバンニに殺される騎士団長を描く。
高官が誰かは小説では分らないがナチス高官の暗殺は多くないから、
ハイドリヒのことか村上春樹の年頭にあったと思って読んでいたが、
この映画を見てその感を強くした。
第2次世界大戦下の1941年冬、ロンドンに本部を置くチェコスロバキア亡命政府は、
ヨゼフ・ガプチーク(キリアン・マーフィー)とヤン・クビシュ(ジェイミー・ド―ナン)の
2人をプラハ近郊の森の中へパラシュートで送り込む。
プラハでは抵抗組織「インドラ」の幹部、ラジスラフ・ヴァネック(マルチン・ドロチンスキー)とヤ
ン・ゼレンカ=ハイスキー(トビー・ジョーンズ)たちが待っていた。
ベテラン俳優、小太りのトビー・ジョーンズが顔を出すと画面の重みも増す。
ここから直ぐにアクションが始まるのかと期待するが、ヴァネックは「ハイドリヒを殺せばヒトラーはこの街を潰す。家族友人も皆殺しにされるぞ」と猛反対。
何のための抵抗組織だ!当然ヨゼフもヤンも祖国を愛するなら命を落とす積りだ」と反論する。
それでも男2人で街を探訪するのに目立ってはいけないと、
お手伝いのマリ―(シャルロット・ルボン)とその友達レンカ(アンナ・ガイスレロバー)を
紹介してくれる。
若い男女が毎晩食事に酒、レストランにクラブで過ごせば
ヤンはマリーと婚約し、ジョセフとレンカは良い仲になる。
アクション映画を見に来たと思っていたのにラブロマンスを延々と見させられる。
ある日突然、ラインハルト・ハイドリヒ大将がパリに転勤になると言うニュースを聞いて
初めて腰を上げる。
実行日はその赴任の前日。
いつも9時45分に親衛隊本部にベンツ・カブリオーレで出勤するハイドリッヒを待ち伏せし襲撃する。
それまでにチェコ亡命政府は既に5人の暗殺部隊をパラシュートでチェコ領内に送り込んでいたが実効がでていない。何をやっていたんだろう?
これら前任者たちにヨゼフとヤンは実施直前に出会い計画を手伝って貰う。
そして手榴弾と機銃で不可能に思われた暗殺のミッションは成功し重傷を負ったはインドリヒは入院するがその晩に死亡が発表される。
ハイドリヒへの襲撃に憤慨したナチスはレジスタンスを探し当て、
捕らえられたヴァネックはペラペラしゃべりまくる。
こいつはRat(裏切り者の潜伏スパイ)じゃないかと思わせる。
終盤近くの30分がカトリック教会地下の納骨堂に隠れていたやジョセフやヤンたちと
数百人親衛隊との銃撃戦。
映画の観客はアメリカ映画で慣れっこになっているが、
欧州映画としては頑張っているシュートアウトだ。
エンドクレジットで明らかになる。
英仏連合国軍はチェコを見捨てていたが
ジョセフやヤンたちの英雄行為でヒトラーに一泡吹かせたことで
英首相ウィンストン・チャーチルはチェコを連合国軍の一員として認め、
支援を行うようになったと。
主人公のヨゼフ役を「バットマン・ダークナイト」3部作や「インセプション」のキリアン・マーフィ、
ヤン役を「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェイミー・ドーナンが演じる。
夫々イケメン俳優が泥だらけ血みどろで戦うレジスタンスのヒーローを熱演する。
•監督・脚本それに撮影監督を務めるのはイギリスのCM界から映画の世界に入って来たショーン・エリス。アカデミー短編実写賞にノミネートされた「CASHBACK」(04)を長編劇映画にした
「フローズン・タイム」(Cashback)(06)で監督デビュー、
その他「ブロークン」(The Broken )(08)や
「メトロマニラ 世界で最も危険な街」(Metro Manila)(13)があり、
この作品が4作目になる。
映画としては決して質の高い作品ではないが、
世界が見放したチェコスロバキアをハインリヒ暗殺事件で注目させた史実を
改めて紹介することに意義がある。
8月12日より新宿武蔵野館にて公開される
「エンスラポイド作戦(Operation Anthropoid)」と言うコードネームを原題にしているが、エンスラポイドとは「類人猿」のことで何の関係があるかと訝るが、スパイのコードネームの意味は直ぐに分かってしまうと意味が無い。
ナチス親衛隊大将、ラインハルト・ハイドリヒはアドルフ・ヒトラー総統、ハインリッヒ・ヒムラー警察庁長官に次ぐ、ナチス第3のランキングに叙せられる男。
絶滅収容所を建てユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の基本計画を着々とすすめていた責任者でもある。
ナチスドイツがチェコスロバキアに侵攻し圧政をしくボスこそ、大物ラインハルト・ハイドリヒで、ロンドンにある亡命チェコ政府の指令のもと、レジスタンスが見事暗殺に成功した史実を映画化したもの。
大物暗殺事件は既に、フリッツ・ラング監督が「死刑執行人もまた死す」(Hangmen also die)(43)やダグラス・サーク監督「Hitler’s madman」(45)、
ルイス・ギルバート監督の「暁の7人」(Operation Daybreak)(75)など映画化されているが、
今の若い人は暗殺も映画も知らない。
だからこの映画は改めて史実を振り返り、連合軍から見放されたチェコスロバキアが愛国者たちの命を賭した暗殺計画によりその存在感を示したことを再認識させる。
村上春樹の最新作「騎士団長殺し」はウィーンに留学していた日本画画家が仲間と仕掛けた「ナチス高官暗殺」に失敗し、日独伊三国同盟の恩恵で特赦を受け、
帰国後に暗殺を比喩したドン・ジョバンニに殺される騎士団長を描く。
高官が誰かは小説では分らないがナチス高官の暗殺は多くないから、
ハイドリヒのことか村上春樹の年頭にあったと思って読んでいたが、
この映画を見てその感を強くした。
第2次世界大戦下の1941年冬、ロンドンに本部を置くチェコスロバキア亡命政府は、
ヨゼフ・ガプチーク(キリアン・マーフィー)とヤン・クビシュ(ジェイミー・ド―ナン)の
2人をプラハ近郊の森の中へパラシュートで送り込む。
プラハでは抵抗組織「インドラ」の幹部、ラジスラフ・ヴァネック(マルチン・ドロチンスキー)とヤ
ン・ゼレンカ=ハイスキー(トビー・ジョーンズ)たちが待っていた。
ベテラン俳優、小太りのトビー・ジョーンズが顔を出すと画面の重みも増す。
ここから直ぐにアクションが始まるのかと期待するが、ヴァネックは「ハイドリヒを殺せばヒトラーはこの街を潰す。家族友人も皆殺しにされるぞ」と猛反対。
何のための抵抗組織だ!当然ヨゼフもヤンも祖国を愛するなら命を落とす積りだ」と反論する。
それでも男2人で街を探訪するのに目立ってはいけないと、
お手伝いのマリ―(シャルロット・ルボン)とその友達レンカ(アンナ・ガイスレロバー)を
紹介してくれる。
若い男女が毎晩食事に酒、レストランにクラブで過ごせば
ヤンはマリーと婚約し、ジョセフとレンカは良い仲になる。
アクション映画を見に来たと思っていたのにラブロマンスを延々と見させられる。
ある日突然、ラインハルト・ハイドリヒ大将がパリに転勤になると言うニュースを聞いて
初めて腰を上げる。
実行日はその赴任の前日。
いつも9時45分に親衛隊本部にベンツ・カブリオーレで出勤するハイドリッヒを待ち伏せし襲撃する。
それまでにチェコ亡命政府は既に5人の暗殺部隊をパラシュートでチェコ領内に送り込んでいたが実効がでていない。何をやっていたんだろう?
これら前任者たちにヨゼフとヤンは実施直前に出会い計画を手伝って貰う。
そして手榴弾と機銃で不可能に思われた暗殺のミッションは成功し重傷を負ったはインドリヒは入院するがその晩に死亡が発表される。
ハイドリヒへの襲撃に憤慨したナチスはレジスタンスを探し当て、
捕らえられたヴァネックはペラペラしゃべりまくる。
こいつはRat(裏切り者の潜伏スパイ)じゃないかと思わせる。
終盤近くの30分がカトリック教会地下の納骨堂に隠れていたやジョセフやヤンたちと
数百人親衛隊との銃撃戦。
映画の観客はアメリカ映画で慣れっこになっているが、
欧州映画としては頑張っているシュートアウトだ。
エンドクレジットで明らかになる。
英仏連合国軍はチェコを見捨てていたが
ジョセフやヤンたちの英雄行為でヒトラーに一泡吹かせたことで
英首相ウィンストン・チャーチルはチェコを連合国軍の一員として認め、
支援を行うようになったと。
主人公のヨゼフ役を「バットマン・ダークナイト」3部作や「インセプション」のキリアン・マーフィ、
ヤン役を「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェイミー・ドーナンが演じる。
夫々イケメン俳優が泥だらけ血みどろで戦うレジスタンスのヒーローを熱演する。
•監督・脚本それに撮影監督を務めるのはイギリスのCM界から映画の世界に入って来たショーン・エリス。アカデミー短編実写賞にノミネートされた「CASHBACK」(04)を長編劇映画にした
「フローズン・タイム」(Cashback)(06)で監督デビュー、
その他「ブロークン」(The Broken )(08)や
「メトロマニラ 世界で最も危険な街」(Metro Manila)(13)があり、
この作品が4作目になる。
映画としては決して質の高い作品ではないが、
世界が見放したチェコスロバキアをハインリヒ暗殺事件で注目させた史実を
改めて紹介することに意義がある。
8月12日より新宿武蔵野館にて公開される