SMAPが解散して独立した最初の作品の木村拓也。
昨日(6日)の丸の内ピカデリーの3時半の回に期待して飛び込んだ。
GWの真っ最中、注目のスターの話題の映画だけに混雑を予想したが3割程度の入りでガラガラ状態。
永遠(無限)の命を持つ男に親の仇を頼み込んだ美少女と言う話も悪く無いのになんて有様だ。
映画が始まって10分も経たないが冒頭の妹が賞金狙いの無頼の一群に惨殺される回顧シーンが終わってから、まるで詰らない。
2時間近い長尺も相俟って、欠伸の連続。
試写室で見せて貰ったら遠慮もあるから本音は書けないが、
金を払っているからにはそれに見合う映画を見せて貰わねば。だからジャンジャン言いたいことを言える。
井筒和幸監督が週刊誌で毒舌の映画評を書いているがそれも映画館で金を払っているから
酷評も書けると明言しているのと同じ趣旨だ。
余談になるが井筒和幸監督は「ガキ帝国」「パッチギ」など在日を描いた作品に秀作が多い。
そう言えば、木村拓哉と工藤静香は在日夫婦だ。
先週末に始まったこの作品の興行成績が「美女と野獣」や「コナン」が強いとは言え新登場で6位と出遅れたことを思い出した。
4月29,30の土日2日間のデビュー週末で、観客動員は僅か14万5千人、興収1億9千万円に過ぎない。
今週末、5月17日から開催されるカンヌ映画祭に特別招待作品として公式上映され、
フランスアメリカ、オーストラリア、ドイツなどで上映が決まっていると言う。
セールスは上手く行っているがチャンバラの物珍しさだけで内容のお粗末さは直ぐにバレる。
いわば国辱映画で映画後進国の評判を更に高めるだけだ。
主演のキムタクは頑張っている。熱演している。
映画のお粗末さは監督の三池崇史の唯我独尊の拙い演出の所為だが
1割程はヒロインの杉咲花の下手丸出しの芝居に原因がある。
NHKの朝の連ドラでもどうってことが無い素人同然の少女に荷が重い大役は、目も当てられない程痛々しい。
ただ怒鳴って絶叫するだけで演技なんてもんじゃない。怒鳴るのもヴォイストレーニングも受けてないからアーティキュレ―ションの悪いこと.何を言っているか分からない。
三池崇史監督に話を戻そう。
彼の作品は途轍もなく面白いか、クソ詰らないか両極端だ。
コミックを実写している映画が多いので選ぶマンガ原作に依るのかもしれない。
傑作は「クローズZERO」シリーズ(07&09)「ゼブラーマン」(10)「十三人の刺客」(10)「愛と誠」(12)「藁の盾」(13)などで、特に「愛~」と「藁~」は僕の好きな映画ベスト10に入る。
クソ詰らないのが「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」(09)「一命」(11)「悪の経典」(12)などだが、この「無限~」などはウォースト#1候補だろう。
映画の梗概を追って見よう。
万次(木村拓哉)はかつて百人斬りと恐れられた伝説の男だったが、
万次のクビにかかった賞金目当ての無頼の群れに囲まれ人質に取られていた可愛い妹を惨殺される。
怒った万次は数十人のならず者を全員倒すが自分も瀕死の重傷を負う。
最愛の妹を失い、生きる意味をなくした万次は、これで死ねれば良しと倒れていると、
物陰から見ていたと800年生きたと言う謎の老婆、比丘尼(山本陽子)により
強引に永遠の命を与えられ、斬られても傷が再生する不死の身体となる。
小さな黒いウジ虫のような気味の悪い不老不死の生物が万次の身体に入り込む。
ここまでは面白い。
それから50年後になると話がダレ始める。
矢が突き刺さっても、刀で突きさされても、銃で撃たれても身体は自然治癒し、
修練した腕も、どうせ死なないのだからと剣術の冴えも鈍る。
刀での真剣勝負より、楽な鎖鎌やマサカリを改造した鈍器を多用するようになる。
これも詰らないシーンだ。
生きるに十分すぎる時間をただ退屈に孤独に過ごすだけだった。
そんなある日、浅野凛(杉咲花)という一人の少女が現れる。
統主・天津影久(福士蒼汰)が率いる、ただ勝つことだけを目的にしている剣客集団・「逸刀流軍団」が「無天一流」の道場を襲撃し、道場主だった凛の両親は惨殺される。
天津影久の福士蒼汰が悪役で万次に歯向かう準主役として画面を占める。
仮面ライダー出身の23歳の大根役者を、何故か三池監督は可愛がる。
「神様の言うとおり」や制作中の「ラプラスの魔女」でも起用している。
キムタクに戦いを挑む俳優としても力量不足なのは明らかで、
この両者のアンバランスも映画を詰らなくしている一因だ。
「仇を討ちたい」
強く願う麟は道場主だった両親に鍛えられていた剣術に励むが、とてもじゃない天都を倒すには程遠いことを自覚する。
そこで凛は天下無敵の噂の万次に仇討ちの助っ人を頼み込む。
道場も門弟も無く、大金を出せる由も無い凛は断られることを承知で、そこは必死の願い事だ。
どことなく妹に似ている凛、それも妹が死んだ歳と同じ麟を、万次は気に入り、「無限の命」を使って用心棒として凛を守ろうと決心する。
こうして万次は、天津影久一派との凄絶な戦いに巻き込まれていく。
次から次へと戦闘シーンが続くが相手変われど死闘は変わらず、ワンパターン。
何の工夫もトリックも無い。最初はオヤと思うが直ぐに飽きる。
飽きたものを延々と見させられるのは業苦の責めだ。
原作は沙村広明による人気コミックで、
超能力を身に着けた人斬り男を木村拓哉主演で映画化した異色スーパーヒーロー時代劇だった筈だが、
三池崇史監督のお粗末な演出のお陰で詰らない映画になってしまった。
丸の内ピカデリー他で上映中
昨日(6日)の丸の内ピカデリーの3時半の回に期待して飛び込んだ。
GWの真っ最中、注目のスターの話題の映画だけに混雑を予想したが3割程度の入りでガラガラ状態。
永遠(無限)の命を持つ男に親の仇を頼み込んだ美少女と言う話も悪く無いのになんて有様だ。
映画が始まって10分も経たないが冒頭の妹が賞金狙いの無頼の一群に惨殺される回顧シーンが終わってから、まるで詰らない。
2時間近い長尺も相俟って、欠伸の連続。
試写室で見せて貰ったら遠慮もあるから本音は書けないが、
金を払っているからにはそれに見合う映画を見せて貰わねば。だからジャンジャン言いたいことを言える。
井筒和幸監督が週刊誌で毒舌の映画評を書いているがそれも映画館で金を払っているから
酷評も書けると明言しているのと同じ趣旨だ。
余談になるが井筒和幸監督は「ガキ帝国」「パッチギ」など在日を描いた作品に秀作が多い。
そう言えば、木村拓哉と工藤静香は在日夫婦だ。
先週末に始まったこの作品の興行成績が「美女と野獣」や「コナン」が強いとは言え新登場で6位と出遅れたことを思い出した。
4月29,30の土日2日間のデビュー週末で、観客動員は僅か14万5千人、興収1億9千万円に過ぎない。
今週末、5月17日から開催されるカンヌ映画祭に特別招待作品として公式上映され、
フランスアメリカ、オーストラリア、ドイツなどで上映が決まっていると言う。
セールスは上手く行っているがチャンバラの物珍しさだけで内容のお粗末さは直ぐにバレる。
いわば国辱映画で映画後進国の評判を更に高めるだけだ。
主演のキムタクは頑張っている。熱演している。
映画のお粗末さは監督の三池崇史の唯我独尊の拙い演出の所為だが
1割程はヒロインの杉咲花の下手丸出しの芝居に原因がある。
NHKの朝の連ドラでもどうってことが無い素人同然の少女に荷が重い大役は、目も当てられない程痛々しい。
ただ怒鳴って絶叫するだけで演技なんてもんじゃない。怒鳴るのもヴォイストレーニングも受けてないからアーティキュレ―ションの悪いこと.何を言っているか分からない。
三池崇史監督に話を戻そう。
彼の作品は途轍もなく面白いか、クソ詰らないか両極端だ。
コミックを実写している映画が多いので選ぶマンガ原作に依るのかもしれない。
傑作は「クローズZERO」シリーズ(07&09)「ゼブラーマン」(10)「十三人の刺客」(10)「愛と誠」(12)「藁の盾」(13)などで、特に「愛~」と「藁~」は僕の好きな映画ベスト10に入る。
クソ詰らないのが「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」(09)「一命」(11)「悪の経典」(12)などだが、この「無限~」などはウォースト#1候補だろう。
映画の梗概を追って見よう。
万次(木村拓哉)はかつて百人斬りと恐れられた伝説の男だったが、
万次のクビにかかった賞金目当ての無頼の群れに囲まれ人質に取られていた可愛い妹を惨殺される。
怒った万次は数十人のならず者を全員倒すが自分も瀕死の重傷を負う。
最愛の妹を失い、生きる意味をなくした万次は、これで死ねれば良しと倒れていると、
物陰から見ていたと800年生きたと言う謎の老婆、比丘尼(山本陽子)により
強引に永遠の命を与えられ、斬られても傷が再生する不死の身体となる。
小さな黒いウジ虫のような気味の悪い不老不死の生物が万次の身体に入り込む。
ここまでは面白い。
それから50年後になると話がダレ始める。
矢が突き刺さっても、刀で突きさされても、銃で撃たれても身体は自然治癒し、
修練した腕も、どうせ死なないのだからと剣術の冴えも鈍る。
刀での真剣勝負より、楽な鎖鎌やマサカリを改造した鈍器を多用するようになる。
これも詰らないシーンだ。
生きるに十分すぎる時間をただ退屈に孤独に過ごすだけだった。
そんなある日、浅野凛(杉咲花)という一人の少女が現れる。
統主・天津影久(福士蒼汰)が率いる、ただ勝つことだけを目的にしている剣客集団・「逸刀流軍団」が「無天一流」の道場を襲撃し、道場主だった凛の両親は惨殺される。
天津影久の福士蒼汰が悪役で万次に歯向かう準主役として画面を占める。
仮面ライダー出身の23歳の大根役者を、何故か三池監督は可愛がる。
「神様の言うとおり」や制作中の「ラプラスの魔女」でも起用している。
キムタクに戦いを挑む俳優としても力量不足なのは明らかで、
この両者のアンバランスも映画を詰らなくしている一因だ。
「仇を討ちたい」
強く願う麟は道場主だった両親に鍛えられていた剣術に励むが、とてもじゃない天都を倒すには程遠いことを自覚する。
そこで凛は天下無敵の噂の万次に仇討ちの助っ人を頼み込む。
道場も門弟も無く、大金を出せる由も無い凛は断られることを承知で、そこは必死の願い事だ。
どことなく妹に似ている凛、それも妹が死んだ歳と同じ麟を、万次は気に入り、「無限の命」を使って用心棒として凛を守ろうと決心する。
こうして万次は、天津影久一派との凄絶な戦いに巻き込まれていく。
次から次へと戦闘シーンが続くが相手変われど死闘は変わらず、ワンパターン。
何の工夫もトリックも無い。最初はオヤと思うが直ぐに飽きる。
飽きたものを延々と見させられるのは業苦の責めだ。
原作は沙村広明による人気コミックで、
超能力を身に着けた人斬り男を木村拓哉主演で映画化した異色スーパーヒーロー時代劇だった筈だが、
三池崇史監督のお粗末な演出のお陰で詰らない映画になってしまった。
丸の内ピカデリー他で上映中