アメリカでは昨年6月3日に新登場した御涙頂戴映画「Me Before You」。デビュー週末は2704館で上映され18.3Mの好成績。観客の出口調査CSはA評価と好評。
制作費は21Mと低予算だから赤字の心配はない。
観客の81%は女性で、53%が35歳以下。
夏映画で男性向け大作は多数あるが「女性向けが全く無いからね」とスタジオ関係者は得意顔。確かに女性客はCG満載の男たちのアクション映画にはうんざりしていたことだろう。
海外で16カ国で公開され7.7M。特にイギリスでは2.7M、韓国では1.6Mの成績。イギリスでのベストセラーや韓国人好みの人情ドラマがそれぞれの国で受けたのだろう。
イギリスの人気作家ジョジョ・モイーズ(Jojo Moyes)の2012年のベストセラー小説「Me Before You」(日本語翻訳本「きみと選んだ明日」)の映画化、
ジョジョは原作ばかりでなくこの映画の脚本を書いている。
映画で泣かされたシンガポールではベストセラートップを走っていると新聞(ストレイト・タイムス)にある。
イギリスの小さな町に住む失職したばかりの26歳の女の子ルイザ(エミリア・クラーク)が、ハローワークへ行く途中で大きなトレイナー屋敷の募集広告に応じて雇われる。
大家族を支えるルイザは何としてもどんな職でも手に入れなければならない。
2年前の交通事故で下半身マヒし手足が使えない青年ウィル(サム・クラフリン)の介護をすることになる。
ヒットしたフランス映画「最強のふたり」も失業中の黒人が車椅子に縛られた金持ちの老人の世話をしている内に友人として絆で結ばれるが、良く似たストーリーだ。
しかしフランス映画は喜劇、今日紹介する作品は涙が止まらない悲劇だ。
介護と言ってもベテランでがっしりしたプロの看護師(ステファン・ピーコック)が腕を発揮して面倒を見ている。
ウィルの母親(ジャネット・マクティア)と父親(チャールズ・ダンス)はルイザに採用を決めた後に言う。
「介護と言うより絶えず傍に居て話し相手になり励ましてくれれば良いのよ」と説明する。
介護には無知なルイザはコンパニオンのような仕事は得意だ。
ルイザは労働者階級の女性、事故後偏屈になったウィルは貴族の家系で大そうな城を持っている。イギリスならではの階級の壁があるがルイザはあっけらかんとして壁なんかひとっ飛びなのが気持ち良い。
金持ちの男性(リチャード・ギア)が娼婦(ジュリア・ロバーツ)を拾い、恋に落ちる「プリティ・ウーマン」に似ている。
スキーにウィンドサーフィン、高いクリフ・ダイビング、そして女の子たちと遊びまわっていたウィル・トレイナーは、ある雨の日出勤途上で通りを横切ろうとしてバイクに跳ねられ四肢が麻痺し車椅子に縛り付けられる生活を送ることになる。
事故後は不機嫌になり偏屈のウィルも天然のルイザの介護に圧倒されて従うようになる。
二人でピクニックや豪勢な旅行をする内に「生きる喜び」を思い出させようとするルイザ。二人の間にロマンスに似た感情も湧いてくる。
この辺りの描写はもう少しポジティブにウィルの態度の軟化を強調しても良かったのではないかと思うが、ウィルは頭の中は冷静だ。
イギリスでは禁じられている「尊厳死」を行うスイスの施設に申し込んだウィルを、母親は6カ月の考慮期間を求め、ルイザを雇ってウィルの決心を変えようと言うバック・グラウンドがあることを彼女は知らない。
観客はウィルがルイザへ徐々に心を開いていく展開にウィルのスイス行きを諦めるのでは無いかとの期待を込める。
明るい天然のルイザに心を開き始めるウィル。やがてふたりの間に信頼と恋が芽生えて来たとルイザは確信する。
ルイザ役のエミリア・クラークは美人では無いが下層階級の女性のあっけらかんとした明るさを発揮する。
貴族階級ウィル役のサム・クラフリンはハンサムで最初の鬱屈した顔にやがて笑みを浮かべるようになる演技が良い。
監督はシーア・ジェアイック。何れもスターでもないし、巨匠でもない。しかし原作者の書く脚本を忠実に追い展開することで「尊厳死」を決めた恋人の悲劇を浮き彫りにして涙を誘う。
10月1日より新宿バルト9他で公開される。
制作費は21Mと低予算だから赤字の心配はない。
観客の81%は女性で、53%が35歳以下。
夏映画で男性向け大作は多数あるが「女性向けが全く無いからね」とスタジオ関係者は得意顔。確かに女性客はCG満載の男たちのアクション映画にはうんざりしていたことだろう。
海外で16カ国で公開され7.7M。特にイギリスでは2.7M、韓国では1.6Mの成績。イギリスでのベストセラーや韓国人好みの人情ドラマがそれぞれの国で受けたのだろう。
イギリスの人気作家ジョジョ・モイーズ(Jojo Moyes)の2012年のベストセラー小説「Me Before You」(日本語翻訳本「きみと選んだ明日」)の映画化、
ジョジョは原作ばかりでなくこの映画の脚本を書いている。
映画で泣かされたシンガポールではベストセラートップを走っていると新聞(ストレイト・タイムス)にある。
イギリスの小さな町に住む失職したばかりの26歳の女の子ルイザ(エミリア・クラーク)が、ハローワークへ行く途中で大きなトレイナー屋敷の募集広告に応じて雇われる。
大家族を支えるルイザは何としてもどんな職でも手に入れなければならない。
2年前の交通事故で下半身マヒし手足が使えない青年ウィル(サム・クラフリン)の介護をすることになる。
ヒットしたフランス映画「最強のふたり」も失業中の黒人が車椅子に縛られた金持ちの老人の世話をしている内に友人として絆で結ばれるが、良く似たストーリーだ。
しかしフランス映画は喜劇、今日紹介する作品は涙が止まらない悲劇だ。
介護と言ってもベテランでがっしりしたプロの看護師(ステファン・ピーコック)が腕を発揮して面倒を見ている。
ウィルの母親(ジャネット・マクティア)と父親(チャールズ・ダンス)はルイザに採用を決めた後に言う。
「介護と言うより絶えず傍に居て話し相手になり励ましてくれれば良いのよ」と説明する。
介護には無知なルイザはコンパニオンのような仕事は得意だ。
ルイザは労働者階級の女性、事故後偏屈になったウィルは貴族の家系で大そうな城を持っている。イギリスならではの階級の壁があるがルイザはあっけらかんとして壁なんかひとっ飛びなのが気持ち良い。
金持ちの男性(リチャード・ギア)が娼婦(ジュリア・ロバーツ)を拾い、恋に落ちる「プリティ・ウーマン」に似ている。
スキーにウィンドサーフィン、高いクリフ・ダイビング、そして女の子たちと遊びまわっていたウィル・トレイナーは、ある雨の日出勤途上で通りを横切ろうとしてバイクに跳ねられ四肢が麻痺し車椅子に縛り付けられる生活を送ることになる。
事故後は不機嫌になり偏屈のウィルも天然のルイザの介護に圧倒されて従うようになる。
二人でピクニックや豪勢な旅行をする内に「生きる喜び」を思い出させようとするルイザ。二人の間にロマンスに似た感情も湧いてくる。
この辺りの描写はもう少しポジティブにウィルの態度の軟化を強調しても良かったのではないかと思うが、ウィルは頭の中は冷静だ。
イギリスでは禁じられている「尊厳死」を行うスイスの施設に申し込んだウィルを、母親は6カ月の考慮期間を求め、ルイザを雇ってウィルの決心を変えようと言うバック・グラウンドがあることを彼女は知らない。
観客はウィルがルイザへ徐々に心を開いていく展開にウィルのスイス行きを諦めるのでは無いかとの期待を込める。
明るい天然のルイザに心を開き始めるウィル。やがてふたりの間に信頼と恋が芽生えて来たとルイザは確信する。
ルイザ役のエミリア・クラークは美人では無いが下層階級の女性のあっけらかんとした明るさを発揮する。
貴族階級ウィル役のサム・クラフリンはハンサムで最初の鬱屈した顔にやがて笑みを浮かべるようになる演技が良い。
監督はシーア・ジェアイック。何れもスターでもないし、巨匠でもない。しかし原作者の書く脚本を忠実に追い展開することで「尊厳死」を決めた恋人の悲劇を浮き彫りにして涙を誘う。
10月1日より新宿バルト9他で公開される。