この映画を見ていると10年ほど前に公開された、クェンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの「グラインドハウス」(GH)を思い出す。
GHとはアメリカで低予算のB級映画を2、3本立てで上映する映画館のことでタランティーノが好む1970年代から80年代のB級映画のオマージュとして制作された。
タランティーノの「デス・プルーフ in グラインドハウス」とロバート・ロドリゲスの「プラネット・テラー in グラインドハウス」と両方ともB級過激アクション映画だったがこの作品もDNAを受け継いだそのジャンルだ。
アスミック・エースでの試写会で偶然となりに座ったのは加藤雅也。
デビュー作の「マリリンに逢いたい」の時に小森のおばちゃまの店で紹介され、LAで2度ほど食事をしたことがある。
「あれは28年前ですからね」随分昔だと。今年53歳だから確かに三昔も前だ。「LAも引き払って10年になります」と。
加藤はこの映画の若い監督・脚本の光武蔵人を可愛がっていて、オメガ出演をしている。
加藤は光武のこれまでの作品、勝新・座頭市もどきの「サムライ・アベンジャー/復讐盲狼」や女体を武器改造した「女体銃 ガン・ウーマン」のB級アクション劇を出来が良いと褒めている。僕は記憶の隅でこの2作品のことは印象に残っている。
エクゼクティブ・プロデューサーの久保直樹と主演のハヤテが上映前に挨拶する。
ハヤテは空手道の演武大会で6連覇をした国内トップクラスの空手名人。裸になると凄いムキムキのキン肉マンだが着やせするのか、スーツにネクタイ姿だと実年齢通り、36歳の平凡なサラリーマンに見える。
光武監督はアクション監督にベテランのスタントコーディネーターの田淵景也を起用しているからハヤテの空手が見事で華麗な絵になる。
おまけに美女たちのヌードをふんだんに見せてくれる。
光武の「女体銃 ガン・ウーマン」に主演した紗倉まなが形のいいオッパイとヒップを惜しげもなく披露するから目の保養になる。
R15と成人指定も構わない、子どもに見せる映画じゃないと一線を引いている。
幼いころに父母を亡くしたケンジとマユミの兄妹。ケンジは「お兄ちゃんは空手でマユミを守るからな」が口癖の空手バカ。ハリウッドで女優になりたいと留学した妹の学費や生活費を送金するため寡黙でストイックなケンジ(ハヤテ)は4つのバイトを掛け持ちし寝る間も惜しむ。
ケンジはロサンゼルスに留学した妹マユミ(紗倉まな)が突如音信不通になったことで不安を募らせLAにやってくる。
マユミが勤めていたリトルトーキョーのキャバレーを訪ねると店主(鎌田規昭)が用心棒を使ってケンジを襲う。
ここで最初の派手な喧嘩シーンが繰り広げられる。屈強なボクサー上がりの黒人や不良メキシカンもバッタバッタと気持ちよく退治するケンジ。店主が「お主やるな」と木刀を持って立ち向かって来る。これが結構強い。
「真剣だったら腕を切り落としていたぜ」と舌なめずりで打ち込んで来る木刀は空手の掌拳でまっ二つ。
「毛が薄いから髪を掴むな!」と懇願するのを無視してマユミの居所を吐かせる。
鎌田はハッタリを噛ませたり哀願して土下座をしたり相手を見ながら態度を変える芝居は上手い、笑わせる
禿の店主はカルト集団「キャピタル・メサイア」(CA)に7000万円ほどの借金をしていてマユミを含めてホステスたちは借金のカタに全員連れ去られたと言う。
店主はCAのサイトをケンジに見せる。これが超高額の会員制違法サイトで教団の活動を動画で流している。本物の拷問や強姦、果ては殺人の動画・スナッフまでアップロードしている。
ネットを見てマユミが本部で虜になっているのを見て、居ても立っても居られなくなったケンジはテキサス州エルパソ郊外の辺境にあるカルト組織「キャピタル・メサイア」に駆けつける。
そこには、教祖バンデンスキー(カーク・ガイガー)が信者たちと住んでいる倉庫街で、ああらゆる重火器や軽機関銃を帯びた警備員が守備を固めている。
「空手で強くなって、絶対にマユミを守ってやるから」という幼い頃の誓いを胸に、ケンジは殺人空手を炸裂させる。しかし一人でどんなに倒しても物理的限界がある。
そこへ散弾銃を片手で操作し武装信者たちをバタバタ倒す艶やかな半裸の女性、ケイコ(阿佐美)が助っ人で現れる。
多勢に無勢、一先ず矛を収めてケイコのアパートに引きあげる。
それからのベッドシーンが凄い。騎乗位のケイコが喘ぎ喘ぎ、CAとその教祖バンデンスキーへの復讐の雄叫び。
回顧シーンで腕をミキサーにかけられ泣き叫ぶケイコ。義手の右手をケンジの腰にあてがいながらよがり声は凄まじい。これはどうしてもR15だね。
翌日早朝、教団本部へ殴り込みの二人に罠が仕掛けられている。ケイコは助け出したホステスが洗脳されていてナイフで喉を掻き切られる。
突如「ダーティ・ジャプ」同士を戦わせ賭けを楽しもうとする教祖。動く大型コンテナ―車で剣豪(デヴィッド・サクライ)との死闘は凄まじい。
互いに実力が伯仲、教祖は動きが無いと運転手に急ブレイキをかけさせトラックは横転する。何でオーソドックスで悪人でも無さそうな日本人剣豪が現れるか訳が分からない。
銃を構えた教祖を、ケイコと練習した空手で銃を跳ね飛ばす術で教団を殲滅するケンジ。洗脳されたマユミも元へ戻りハッピーエンド。
この作品を日本ばかりかジャンル映画ファンにむけ、海外マーケットに売り込もうと、視野に入れた新しいスタイルのアクション映画を製作する光武監督が主宰するマメゾウピクチャーの「少女は異世界で戦った」に次ぐ第二弾。
主演を務めるのは、2014年の『少女は異世界で戦った』(金子修介監督、マメゾウピクチャーズ映画第1弾作品)で映画デビューをした空手名人のハヤテ。空手の師範で、素早い目にもとまらぬマーシャルアートは世界に通用する。
剣豪を演じるのはハンガリー映画「リザとキツネと恋する死者たち」で日本人歌手の幽霊役を演じたデンマーク俳優デヴィッド・サクライ。
こうして見ると無名だが才能を持った役者たちが映画を支えている。
9月3日よりシネ・リーブル池袋にて公開される
GHとはアメリカで低予算のB級映画を2、3本立てで上映する映画館のことでタランティーノが好む1970年代から80年代のB級映画のオマージュとして制作された。
タランティーノの「デス・プルーフ in グラインドハウス」とロバート・ロドリゲスの「プラネット・テラー in グラインドハウス」と両方ともB級過激アクション映画だったがこの作品もDNAを受け継いだそのジャンルだ。
アスミック・エースでの試写会で偶然となりに座ったのは加藤雅也。
デビュー作の「マリリンに逢いたい」の時に小森のおばちゃまの店で紹介され、LAで2度ほど食事をしたことがある。
「あれは28年前ですからね」随分昔だと。今年53歳だから確かに三昔も前だ。「LAも引き払って10年になります」と。
加藤はこの映画の若い監督・脚本の光武蔵人を可愛がっていて、オメガ出演をしている。
加藤は光武のこれまでの作品、勝新・座頭市もどきの「サムライ・アベンジャー/復讐盲狼」や女体を武器改造した「女体銃 ガン・ウーマン」のB級アクション劇を出来が良いと褒めている。僕は記憶の隅でこの2作品のことは印象に残っている。
エクゼクティブ・プロデューサーの久保直樹と主演のハヤテが上映前に挨拶する。
ハヤテは空手道の演武大会で6連覇をした国内トップクラスの空手名人。裸になると凄いムキムキのキン肉マンだが着やせするのか、スーツにネクタイ姿だと実年齢通り、36歳の平凡なサラリーマンに見える。
光武監督はアクション監督にベテランのスタントコーディネーターの田淵景也を起用しているからハヤテの空手が見事で華麗な絵になる。
おまけに美女たちのヌードをふんだんに見せてくれる。
光武の「女体銃 ガン・ウーマン」に主演した紗倉まなが形のいいオッパイとヒップを惜しげもなく披露するから目の保養になる。
R15と成人指定も構わない、子どもに見せる映画じゃないと一線を引いている。
幼いころに父母を亡くしたケンジとマユミの兄妹。ケンジは「お兄ちゃんは空手でマユミを守るからな」が口癖の空手バカ。ハリウッドで女優になりたいと留学した妹の学費や生活費を送金するため寡黙でストイックなケンジ(ハヤテ)は4つのバイトを掛け持ちし寝る間も惜しむ。
ケンジはロサンゼルスに留学した妹マユミ(紗倉まな)が突如音信不通になったことで不安を募らせLAにやってくる。
マユミが勤めていたリトルトーキョーのキャバレーを訪ねると店主(鎌田規昭)が用心棒を使ってケンジを襲う。
ここで最初の派手な喧嘩シーンが繰り広げられる。屈強なボクサー上がりの黒人や不良メキシカンもバッタバッタと気持ちよく退治するケンジ。店主が「お主やるな」と木刀を持って立ち向かって来る。これが結構強い。
「真剣だったら腕を切り落としていたぜ」と舌なめずりで打ち込んで来る木刀は空手の掌拳でまっ二つ。
「毛が薄いから髪を掴むな!」と懇願するのを無視してマユミの居所を吐かせる。
鎌田はハッタリを噛ませたり哀願して土下座をしたり相手を見ながら態度を変える芝居は上手い、笑わせる
禿の店主はカルト集団「キャピタル・メサイア」(CA)に7000万円ほどの借金をしていてマユミを含めてホステスたちは借金のカタに全員連れ去られたと言う。
店主はCAのサイトをケンジに見せる。これが超高額の会員制違法サイトで教団の活動を動画で流している。本物の拷問や強姦、果ては殺人の動画・スナッフまでアップロードしている。
ネットを見てマユミが本部で虜になっているのを見て、居ても立っても居られなくなったケンジはテキサス州エルパソ郊外の辺境にあるカルト組織「キャピタル・メサイア」に駆けつける。
そこには、教祖バンデンスキー(カーク・ガイガー)が信者たちと住んでいる倉庫街で、ああらゆる重火器や軽機関銃を帯びた警備員が守備を固めている。
「空手で強くなって、絶対にマユミを守ってやるから」という幼い頃の誓いを胸に、ケンジは殺人空手を炸裂させる。しかし一人でどんなに倒しても物理的限界がある。
そこへ散弾銃を片手で操作し武装信者たちをバタバタ倒す艶やかな半裸の女性、ケイコ(阿佐美)が助っ人で現れる。
多勢に無勢、一先ず矛を収めてケイコのアパートに引きあげる。
それからのベッドシーンが凄い。騎乗位のケイコが喘ぎ喘ぎ、CAとその教祖バンデンスキーへの復讐の雄叫び。
回顧シーンで腕をミキサーにかけられ泣き叫ぶケイコ。義手の右手をケンジの腰にあてがいながらよがり声は凄まじい。これはどうしてもR15だね。
翌日早朝、教団本部へ殴り込みの二人に罠が仕掛けられている。ケイコは助け出したホステスが洗脳されていてナイフで喉を掻き切られる。
突如「ダーティ・ジャプ」同士を戦わせ賭けを楽しもうとする教祖。動く大型コンテナ―車で剣豪(デヴィッド・サクライ)との死闘は凄まじい。
互いに実力が伯仲、教祖は動きが無いと運転手に急ブレイキをかけさせトラックは横転する。何でオーソドックスで悪人でも無さそうな日本人剣豪が現れるか訳が分からない。
銃を構えた教祖を、ケイコと練習した空手で銃を跳ね飛ばす術で教団を殲滅するケンジ。洗脳されたマユミも元へ戻りハッピーエンド。
この作品を日本ばかりかジャンル映画ファンにむけ、海外マーケットに売り込もうと、視野に入れた新しいスタイルのアクション映画を製作する光武監督が主宰するマメゾウピクチャーの「少女は異世界で戦った」に次ぐ第二弾。
主演を務めるのは、2014年の『少女は異世界で戦った』(金子修介監督、マメゾウピクチャーズ映画第1弾作品)で映画デビューをした空手名人のハヤテ。空手の師範で、素早い目にもとまらぬマーシャルアートは世界に通用する。
剣豪を演じるのはハンガリー映画「リザとキツネと恋する死者たち」で日本人歌手の幽霊役を演じたデンマーク俳優デヴィッド・サクライ。
こうして見ると無名だが才能を持った役者たちが映画を支えている。
9月3日よりシネ・リーブル池袋にて公開される