「『雑草なんて草は無い。草には総て名前がある』と昭和天皇は言った」。
植物をカメラに収めながら樹(いつき)(岩田剛典)はいつもさやか(高畑充希)に草の名前を教えていた。
深夜自転車置き場で「犬のように」お腹を空かせて倒れていた青年を拾いアパートでカップラーメンを食べさせると言う稚拙な出だしに詰まらん映画だとタカを括っていた二人の展開にいつの間にか引き込まれ最後は涙が止まらない。どうってことの無いドジな女の子の話なのに。
不動産紹介会社に勤めるさやか(高畑充希)は何をやってもドジ。部屋を紹介する客との打ち合わせ場所を間違えたり窓口で性急な客の応対が遅れ怒らせたり。上司(ダンカン)は皆の前で大声でさやかを叱る。恋人とも別れて久しい。
ある夜、帰宅すると、マンションの前で倒れている男・樹(岩田剛典)を見つける。
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みつきません。部屋でオシッコやウンコもしない、躾はできています」
犬のようなセリフを聞いてさやかは自室に招き入れてしまう。
翌朝ご馳走の夢を見ていると夢に美味しそうなニオイまでついている。
食卓にはスクランブルエッグやおみおつけ、おしたしがキレイに並んでいる。
「冷蔵庫にあるものだけで勝手に作った」とシンプルながら美味な朝食。
おまけにさやかの見事なお弁当までできている。
さやかの誕生日は8月15日。それまで6か月ある。
「半年だけ居させて欲しい」と部屋に居つくことになった樹は料理上手で、家事全般を担当することを条件に奇妙な同居生活が始まる。
草花に詳しく部屋に小さな庭にしげるヘクソカズラ(屁糞葛)などの説明にさやかも観客のフーンと納得する。
葉や茎は確かに異臭を放つが夏に花を着けるが花弁は白色、中心は紅紫色であり、実は乾燥させてヒビワレやアカギレに効くと言う。
コンビニで深夜勤務の仕事に就く樹はさやかの帰宅時と会社への出勤時に顔を合わせるだけだがその間を繋ぐのは樹の手料理。
樹のバイトのお給料で買った二台の自転車に乗り、二人で野原に出かけフキやヨモギ、ノビル、土筆、クレソン、野イチゴなどの野草を採取し料理を作ってくれる。野草とさやかをニコンのカメラで絶え間なく撮る樹。
突然まいこんだ樹との日々は楽しく、さやかは次第に恋心を抱いていくが、気がつけば苗字も知らない。出身地も過去も年齢も何も知らない。
いつか雨の日に扱けたさやかに真っ赤のハンカチを差し出した樹に不信感を抱き、勤務する駅前のコンビニを覗くと女店員、ユリエ(今井華)から「クサカベ君」と呼ばれている。
嫉妬に狂ったさやかを追いかけて来る樹は優しい言葉と同時に徒歩で来たさやかに自分の自転車を渡す。何となく樹の真心を信じるさやか。
そして二人は自然に結ばれる。
会社ではさやかを慕う先輩、竹沢(阿部丈二)がお弁当からオカズを取ったり食事に誘われたり、コクられたりするが樹に惚れっぱなしのさやかは断固として跳ねつける。
半年後の8月15日、不安に駆られて家の戻ると部屋は電気が消えて真っ暗。「樹!樹!」と叫びながら部屋を駆け巡るとパッと電気がついてバースデーケイキを手にした樹の姿が。嬉しくて涙が零れるさやかの気持ちは観客にも移入される。
24歳の誕生日だ。蝋燭の火を吹き消す幸せそうなさやか。
しかし翌日、樹の姿が消える。
必死に探しまわるさやか。
コンビニのユリエの後をつけ回し警察沙汰にまでなるさやか。
しかし行方は杳として知れず1年が経ちさやかの誕生日が過ぎる。
そこに樹についての大変なニュースが飛び込む。。。
人気女流作家・有川浩の小説ほど沢山映画化された作家は居無い。
「レインツリーの国」「阪急電車」「フリーター、家を買う」「県庁おもてなし課」など何れも優しさに溢れ感動的な作品になっている。この映画のその範疇に入りお気に入りの作品リストに入った。
しかし僕が大嫌いなのは近未来SF「図書館戦争」シリーズで、およそ有川らしくないと思うが映画でも大ヒットになってる。本の禁制を巡る戦争なんて馬鹿らしい。
監督はTVドラマ出身でドラマの劇場版「トリハダ」シリーズなどで映画監督にデビューした三木康一郎。未だ映画の文法を勉強中だ。
脚本は有川浩・原作の難聴女性の恋を描く「レインツリーの国」などの渡辺千穂が担当。
主演は、樹役は三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE のパフォーマー・岩田剛典。経験が無くとも歌手は演技が上手い。
さやかは「バンクーバーの朝日」などで脇を務めた高畑充希。
二人とも馴染みが無く人気スターでは無いがこの役にセレブはいらない。
6月4日より丸の内ピカデリー他で公開される
植物をカメラに収めながら樹(いつき)(岩田剛典)はいつもさやか(高畑充希)に草の名前を教えていた。
深夜自転車置き場で「犬のように」お腹を空かせて倒れていた青年を拾いアパートでカップラーメンを食べさせると言う稚拙な出だしに詰まらん映画だとタカを括っていた二人の展開にいつの間にか引き込まれ最後は涙が止まらない。どうってことの無いドジな女の子の話なのに。
不動産紹介会社に勤めるさやか(高畑充希)は何をやってもドジ。部屋を紹介する客との打ち合わせ場所を間違えたり窓口で性急な客の応対が遅れ怒らせたり。上司(ダンカン)は皆の前で大声でさやかを叱る。恋人とも別れて久しい。
ある夜、帰宅すると、マンションの前で倒れている男・樹(岩田剛典)を見つける。
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みつきません。部屋でオシッコやウンコもしない、躾はできています」
犬のようなセリフを聞いてさやかは自室に招き入れてしまう。
翌朝ご馳走の夢を見ていると夢に美味しそうなニオイまでついている。
食卓にはスクランブルエッグやおみおつけ、おしたしがキレイに並んでいる。
「冷蔵庫にあるものだけで勝手に作った」とシンプルながら美味な朝食。
おまけにさやかの見事なお弁当までできている。
さやかの誕生日は8月15日。それまで6か月ある。
「半年だけ居させて欲しい」と部屋に居つくことになった樹は料理上手で、家事全般を担当することを条件に奇妙な同居生活が始まる。
草花に詳しく部屋に小さな庭にしげるヘクソカズラ(屁糞葛)などの説明にさやかも観客のフーンと納得する。
葉や茎は確かに異臭を放つが夏に花を着けるが花弁は白色、中心は紅紫色であり、実は乾燥させてヒビワレやアカギレに効くと言う。
コンビニで深夜勤務の仕事に就く樹はさやかの帰宅時と会社への出勤時に顔を合わせるだけだがその間を繋ぐのは樹の手料理。
樹のバイトのお給料で買った二台の自転車に乗り、二人で野原に出かけフキやヨモギ、ノビル、土筆、クレソン、野イチゴなどの野草を採取し料理を作ってくれる。野草とさやかをニコンのカメラで絶え間なく撮る樹。
突然まいこんだ樹との日々は楽しく、さやかは次第に恋心を抱いていくが、気がつけば苗字も知らない。出身地も過去も年齢も何も知らない。
いつか雨の日に扱けたさやかに真っ赤のハンカチを差し出した樹に不信感を抱き、勤務する駅前のコンビニを覗くと女店員、ユリエ(今井華)から「クサカベ君」と呼ばれている。
嫉妬に狂ったさやかを追いかけて来る樹は優しい言葉と同時に徒歩で来たさやかに自分の自転車を渡す。何となく樹の真心を信じるさやか。
そして二人は自然に結ばれる。
会社ではさやかを慕う先輩、竹沢(阿部丈二)がお弁当からオカズを取ったり食事に誘われたり、コクられたりするが樹に惚れっぱなしのさやかは断固として跳ねつける。
半年後の8月15日、不安に駆られて家の戻ると部屋は電気が消えて真っ暗。「樹!樹!」と叫びながら部屋を駆け巡るとパッと電気がついてバースデーケイキを手にした樹の姿が。嬉しくて涙が零れるさやかの気持ちは観客にも移入される。
24歳の誕生日だ。蝋燭の火を吹き消す幸せそうなさやか。
しかし翌日、樹の姿が消える。
必死に探しまわるさやか。
コンビニのユリエの後をつけ回し警察沙汰にまでなるさやか。
しかし行方は杳として知れず1年が経ちさやかの誕生日が過ぎる。
そこに樹についての大変なニュースが飛び込む。。。
人気女流作家・有川浩の小説ほど沢山映画化された作家は居無い。
「レインツリーの国」「阪急電車」「フリーター、家を買う」「県庁おもてなし課」など何れも優しさに溢れ感動的な作品になっている。この映画のその範疇に入りお気に入りの作品リストに入った。
しかし僕が大嫌いなのは近未来SF「図書館戦争」シリーズで、およそ有川らしくないと思うが映画でも大ヒットになってる。本の禁制を巡る戦争なんて馬鹿らしい。
監督はTVドラマ出身でドラマの劇場版「トリハダ」シリーズなどで映画監督にデビューした三木康一郎。未だ映画の文法を勉強中だ。
脚本は有川浩・原作の難聴女性の恋を描く「レインツリーの国」などの渡辺千穂が担当。
主演は、樹役は三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE のパフォーマー・岩田剛典。経験が無くとも歌手は演技が上手い。
さやかは「バンクーバーの朝日」などで脇を務めた高畑充希。
二人とも馴染みが無く人気スターでは無いがこの役にセレブはいらない。
6月4日より丸の内ピカデリー他で公開される